ランボルギーニ『テメラリオ』のすべて。ウラカンの後継車が公開
ランボルギーニ社はモントレー・カーウィークにおいて「ウラカン」の後継モデルとして「テメラリオ」をワールドプレミアしました。テメラリオはレヴエルトに続くハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ビークル(HPEV)第2弾モデルとして公開されています。
ランボルギーニ『テメラリオ』の外観デザインの魅力

新型ランボルギーニ『テメラリオ』は、その圧倒的な存在感と洗練されたデザインで注目を集めています。イタリアンデザインの伝統を受け継ぎつつ、未来志向のエッセンスが随所に盛り込まれています。特に、空力性能を最大限に活かしたボディラインは、速度と美しさを完璧に融合させています。これにより、テメラリオは単なる高性能車を超え、動くアート作品としての地位を確立しています。
ランボルギーニ公式サイト
空力性能を考慮した革新的なデザイン
テメラリオのボディデザインは、風洞実験を繰り返すことで得られたデータに基づいて設計されています。フロントスプリッターやリアディフューザーの形状は、ダウンフォースを最大限に高めると同時に、空気抵抗を最小限に抑える工夫がされています。これにより、高速走行時でも安定性を保ちつつ、驚異的な燃費性能も実現しています。
高級感とスポーティーさを両立したディテール
テメラリオの外装には、カーボンファイバーとアルミニウムがふんだんに使用されており、軽量化と強度のバランスが絶妙です。また、シャープなヘッドライトやアグレッシブなグリルデザインは、ランボルギーニらしいスポーティーさを強調しています。一方で、エレガントなラインやクロームのアクセントが、車全体に高級感を漂わせています。
エンジンとパフォーマンスの秘密

ランボルギーニ『テメラリオ』に搭載されているエンジンは、全く新しい次元のパフォーマンスを提供します。V12エンジンをベースにしたハイブリッドシステムは、驚異的な出力と効率を誇ります。このエンジンは、0-100km/h加速がわずか2.5秒であることが特徴で、まさにスーパーカーの名にふさわしい性能を備えています。
テメラリオに搭載された新世代エンジンの特徴
テメラリオのエンジンは、ランボルギーニが誇る技術の結晶です。V12エンジンに加えて、電動モーターが組み合わされており、トータル出力は1,000馬力を超えます。このハイブリッドシステムにより、従来のスーパーカーとは一線を画す低燃費と低排出ガスを実現しています。また、モーターによる瞬時のトルク供給が、驚異的な加速性能を生み出しています。
驚異的な加速力と最高速度
ランボルギーニ『テメラリオ』は、その驚異的な加速力と最高速度が特徴です。0-100km/h加速がわずか2.5秒という数字は、ドライバーに強烈な加速Gを体感させます。また、最高速度は350km/hを超え、この性能を支えるために専用設計されたタイヤとブレーキシステムが搭載されています。これにより、テメラリオはサーキットだけでなく、公道でもその圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
開発メンバーのコメント

テメラリオは数年にわたる開発を要した高回転型のV8ツインターボエンジンに3基の電気モーターを組み合わせています。ランボルギーニのメカニカル開発を務めるルーベン・モール氏はその開発意図を次のように説明しました。「私たちはV8ツインターボというエモーショナルな内燃エンジンと、パフォーマンス志向の電気モーターという2つの長所を組み合わせた高性能スポーツエンジンを開発しようと考えました。3基の電気モーターを内燃機関に組み込んだハイブリッドパワートレインは瞬間的な加速と高効率なエネルギー回生を同時に実現します。テメラリオはその技術とパフォーマンスにおいて、他の追随を許しません。」
エンジンとモーター

ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ビークル(HPEV)として投入されたテメラリオは可能な限り高いパワーとトルク、古典的な高回転自然吸気エンジンが持つレスポンスの実現が開発目標となりました。新開発4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、リッターあたり200PSを発揮し、V8エンジンのハウジングに統合された油冷式軸流型電気モーターと連動します。さらにフロントアクスルにも2基の軸流型電気モーターが搭載されます。
コードネーム「L411」エンジン
社内コードネーム「L411」とされるエンジンは最高出力800PS/9000~9750rpm、最大トルク730Nm/4000~7000rpmを発揮します。2基の大口径ターボチャージャーは最大ブースト圧は2.5バール、最高速域における効率とパフォーマンスの大幅な向上を果たし、エンジンとギヤボックス間に配置された電気モーターが低回転域から即座にパワーとトルクを供給します。DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)で覆われたフィンガーフォロワーにより、モータースポーツ用エンジンに限られていた毎分1万1000rpmというエンジン回転数、そして920PS(676kW)というシステム最高出力を発揮しました。ツインターボと電気モーターの合体と、従来の自然吸気V型10気筒エンジンが持つ爽快なサウンドが新たなランボルギーニの新モデルとなるのです。
電気モーター

テメラリオのモーターパワートレインはメインエンジンに1基、フロントアクスルに2基の油冷式軸流電気モーターを搭載しています。それぞれが110kWの出力を持ち、モーターのみの合計出力は220kW(約300PS)、最大トルクは2150Nmを発揮します。フロントアクスルのモーターは必要に合わせてフロントを駆動し、電動フロントアクスルの重量はわずか73kg、各電動モーターの重量はわずか15.5kgに小さくできました。さらにウラカンと比較した結果、二酸化炭素排出量を最大半分も削減しています。
モーターの小型化
パワートレインの開発時、課題となったのがモーターを追加したパワートレインの小型化でした。これを解決するため、開発陣は1基の電気モーターをV8ツインターボとトランスミッション間に、中間クラッチを介さず直接組み込みました。これにより、300Nmものトルクをあらゆる速度域で発揮し、どんなに小さなターボラグでも補完することを可能にしました。
高性能バッテリー
4500W/kgの高出力を持つリチウムイオンバッテリーパックはセンタートンネル内に位置しています。これにより車両の重心を可能な限り低く保ち、最適な重量配分となっています。バッテリーはシャシーの下部構造層によって保護され、バッテリーパックは長さは1550mm、高さ301mm、幅240mmで、3.8kWhのパウチセルを内蔵します。これは家庭用交流電流や急速充電器を介して充電が可能となっており、急速充電を使うことで約30分で0%から80%まで充電することが可能です。さらに走行中ではフロントアクスルの回生ブレーキやV8エンジンからも、電力がバッテリーへと充電されます。
LDV2.0システム
電動トルクベクタリング「ランボルギーニ・ダイナミカ・ヴェイコロ(LDV)2.0」システムはホイールに最適なトルク配分を行い、低速コーナでの俊敏性と、高速コーナにおける安定性を向上させます。従来システムとは異なり、必要な場合においてブレーキの介入があり、効率を最大化します。またブレーキング時には、e-アクスルとリヤ電気モーターが減速に寄与し、バッテリーを充電しながらブレーキへの負担も軽減します。
最新技術とインテリアの進化

テメラリオは、最新のテクノロジーが詰め込まれたインテリアも大きな魅力の一つです。インフォテインメントシステムは、タッチパネル操作だけでなく、ジェスチャーや音声認識にも対応しており、直感的な操作が可能です。また、室内には最高級のレザーやアルカンターラが使用されており、ドライバーと乗客に快適な空間を提供します。
次世代インフォテインメントシステム
テメラリオに搭載されたインフォテインメントシステムは、ランボルギーニ初となる次世代型です。タッチスクリーンによる操作はもちろん、ジェスチャー操作や音声認識にも対応しており、ドライバーが視線を逸らすことなく必要な情報にアクセスできるようになっています。また、リアルタイムでの交通情報や天気予報、さらにはドライブモードに応じた推奨ルートの提案など、さまざまな機能が充実しています。
快適性を追求したインテリアデザイン
テメラリオのインテリアは、ドライバーと乗客の快適性を最優先に設計されています。高品質なレザーシートには、ヒーターやベンチレーション機能が標準装備されており、季節を問わず快適なドライブが楽しめます。また、カーボンファイバー製の装飾パネルやアンビエントライトが、室内に高級感と近未来的な雰囲気を演出しています。ドライビングポジションも、細かい調整が可能で、長時間の運転でも疲れにくい設計が施されています。
コンセプトは「Feel like a pilot」

コクピットは低く抑えられたシートポジション、大胆にレイアウトされたデジタルスクリーン、スリムで軽量なダッシュボード、レーシングカーをイメージしたステアリングホイールなど、ランボルギーニの世界観へと浸ることができます。航空関係からインスピレーションを得ており、パワーボタン、eギヤレバー、ステアリングホイールのレッド・ラインナップインジケーターなどランボルギーニ伝統のデザイン要素を継承しています。ダッシュボードは「Feel like a pilot(パイロットになった気分で)」というコンセプトを意識して作成されました。直感的な操作が可能で、ドライバーは航空機のパイロットのように、すべてのコントロールへとアクセスすることができます。六角形型ベンチレーションはダッシュボードへと組み込まれ、センターコンソール奥にはスマートフォンと財布を置くスペースも用意されています。
フレーム

全体がアルミニウム製のフレームは高圧鋳造用の高強度合金、高強度ハイドロフォーミング押出材の使用しています。この技術によりスペースフレームの構造上の複雑さを最小限に抑え、新しいハイブリッドパワートレインの搭載に伴う高レベルの機能統合、熱入力による溶接部数の大幅な削減が可能になりました。またウラカンの適用範囲と比較して半分以上も部品を削減できました。そのため前世代のスペースフレームと比較して20%以上のねじり剛性が向上し、車両重量制限を可能な限り抑えることで車両の優れたドライビングダイナミクスに大きく貢献します。
価格と購入時の注意点

新型ランボルギーニ『テメラリオ』は、その性能とデザインに見合った価格が設定されています。国内外での価格比較を行うことで、購入の際に適切な選択ができるようにしましょう。また、高性能車両であるがゆえに、購入後のメンテナンスやランニングコストについても事前に理解しておくことが重要です。
国内外の価格比較
テメラリオの国内価格は約3,000万円から4,500万円とされていますが、オプションを追加することで価格はさらに上昇します。一方、海外では税制や輸送コストの違いから、若干の価格差が見られます。特に、ヨーロッパ市場では本国仕様の特別オプションが選べることもあり、価格帯はさらに広がります。これらを考慮して、自分に最適な仕様を選ぶことが重要です。
メンテナンスとランニングコスト
テメラリオのようなスーパーカーは、維持費にも相応のコストがかかります。定期的なメンテナンスはもちろん、タイヤ交換やブレーキパッドの交換など、走行距離に応じた消耗品の交換が必要です。また、燃費は決して良いとは言えず、特に街中での走行では燃料費がかさむ可能性があります。これらのコストを理解し、購入前に予算をしっかりと計画しておくことが求められます。
最後に
新型ランボルギーニ『テメラリオ』は、まさにスーパーカーの新たな境地を切り開く一台です。その圧倒的なデザインと空力性能、革新的なハイブリッドエンジンによる驚異的なパフォーマンス、そして最新の技術を搭載したインテリアは、すべてが最高水準にあります。テメラリオは、ただの移動手段を超え、ドライバーに非日常的な体験を提供する存在です。しかし、その性能と魅力には相応の価格とランニングコストが伴います。購入を検討する際には、これらの要素を十分に考慮し、長期的な視点で判断することが重要です。テメラリオは、車好きの心を掴むだけでなく、その所有感や運転の喜びを最大限に引き出す一台であることは間違いありません。
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