【あの時が懐かしい】1970年代の名車
1970年代は世界中で自動車産業が進化を遂げた時代でした。この時期はデザイン、技術、そして高性能なエンジンを搭載したスポーツカーが台頭し、特に日本の自動車メーカーが国際市場での地位を確立し始めた時期としても注目されます。ここでは1970年代に登場した代表的な日本車について、詳しく紹介していきます。
日産・初代フェアレディZ

1970年代初頭に登場した「日産・初代フェアレディZ」(S30型)は、日本車の歴史において特に重要なモデルです。アメリカ市場では「Datsun 240Z」として知られ、スポーツカー市場においてリーズナブルな価格と高性能の両立を実現しました。L型の直列6気筒エンジンを搭載し、国内では2リットルでしたが海外では2.4リットルが採用されました。これは手堅い手法であり、低速域からのトルクにも富み、大排気量を好むアメリカ車と同様にして実用域で扱いやすいものでした。ポルシェやジャガーのスポーツカーは高性能で複雑なパワーユニットでしたがフェアレディZのL型エンジンはシンプルな設計のため、手荒な扱いにも耐え、信頼性が高く整備も容易なマシンとして注目されました。この初代フェアレディZは日産のイメージリーダーとして足掛け10年にわたって生産され、全世界での総販売台数は55万台を記録しました。スタイリッシュなデザインと走行性能の高さにより、フェアレディZは北米を中心に爆発的な人気を博し、「庶民のスポーツカー」として広く親しまれました。
三菱・ランサーセレステ

三菱・ランサーセレステは1975年に登場し、クーペタイプとして若者を中心に人気を集めました。ランサーセレステは、当時流行していたファストバックデザインを取り入れ、スタイリッシュな外観が特徴です。この車はギャランクーペFTOの後継的な立ち位置であり、名前からも察するようにランサーの3ドアファストバッククーペバージョンになります。エンジンは、1.4Lから1.6Lの直列4気筒を搭載し、軽快な走りを提供しました。燃費性能も優れていたため、スポーツカーとしての魅力に加え、日常使用にも適していました。このモデルは三菱がヨーロッパ市場に進出するきっかけとなった車種でもあります。北米地域では業務提携先かつ、現地での独占販売契約を結んでいたクライスラーによって「プリムス・アロー」の車名で販売されました。
トヨタ・初代セリカ

1970年に発売されたトヨタ・初代セリカは日本初の「スペシャリティカー」として名を馳せました。スポーツカーの楽しさを多くの人々に届けることを目指し、手頃な価格と優れた性能を両立させたこのモデルは、軽量な車体とFRレイアウトを採用し、ハンドリング性能が高いことが特徴でした。「ダルマセリカ」または「ダルマ」と呼ばれており、ボディーがだるまのようにふくよかなためこのようなニックネームが着いたとされています。キャッチフレーズは「未来の国からやってきたセリカ」、販売方法としてはアメリカで成功したフォードに倣って、好みのエンジン、変速機、内装を自由に選べる“フルチョイスシステム”と呼ばれるシステムを採用を採用しました。エンジンは1.6リットルの直列4気筒の2T-G型を搭載し、最高出力は約115馬力を発揮しました。最上級グレードは「1600GT」であり、スポーティな外観から走りが良好だったため人気が高く旧車雑誌でもよく紹介されています。初代セリカは、日本国内だけでなく海外市場でも好評を博し、「日本のマスタング」とも呼ばれる存在感を示しました。
三菱・ギャランGTO

三菱・ギャランGTOは1970年に初代がデビューしたスポーツクーペです。特に日本国内で「グランドツアラー」として人気を集め、迫力あるデザインとスポーティな走りで注目を浴びました。エンジンには2.0リットル直列4気筒の「4G54型」などが搭載され、最高出力は最高180馬力に達するグレードもありました。また、フェンダーミラーや縦型のテールランプといったスタイリングが独自の魅力を放ち、スポーツカー愛好家に強い印象を与えました。なおギャランGTOの後継車はギャランラムダであり、ラムダは1984年まで生産されました。
マツダ・サバンナ

1970年代のロータリーエンジン車として代表的なのが「マツダ・サバンナ」です。1971年に登場し、後の「RX-3」としても知られるこのモデルは、斬新なロータリーエンジンを搭載し、その軽量かつコンパクトな構造によって高回転域での走行性能を実現しました。レースシーンでも活躍し、特に1971年のスパ・フランコルシャン24時間レースでは優勝を果たし、その実力を世界に示しました。ロータリーエンジン特有の音や走行感は多くのファンを魅了し、マツダの革新技術の象徴となりました。
スバル・初代アルシオーネ

スバル・初代アルシオーネは、1970年代終盤から開発され、1980年代初頭にかけて登場しました。エアロダイナミクスを意識したフォルムで、後にスバルのデザイン哲学の基盤を築きました。水平対向エンジンの搭載により低重心化を実現し、安定した走行性能を提供しました。独特なスタイルと性能は、スバルのブランドイメージに個性的な一面を加えました。1991年には後継車としてアルシオーネSVXが登場し、ジウジアーロがデザインしたボディーが注目されました。
日産・第一世代スカイラインGT-R

1969年に登場した初代スカイラインGT-Rは、日本の自動車文化におけるアイコン的存在です。2リットル直列6気筒の「S20型」エンジンを搭載し、最高出力は160馬力を発揮しました。GT-Rはレーストラックで圧倒的な成績を残し、通称「ハコスカ」として親しまれました。50勝を超えるレース実績はその伝説的ステータスを強固なものにし、後に続くGT-Rシリーズの基盤を築いたのです。続いて1973年には2代目スカイラインGT-Rが登場し、「ケンメリ」という愛称で親しまれていました。このスカイラインGT-Rは販売期間3か月という短命で終わりましたが、70年代のスカイラインGT-Rとして記憶に強く残りました。なおスカイラインGT-Rシリーズついては、初代と2代目を第1世代、3代目から5代目を第2世代と表現されています。
最後に
1970年代は、日本の自動車メーカーが世界市場で本格的に力を発揮し始めた時代でした。革新的な技術、スタイリッシュなデザイン、そしてスポーツカーの性能を組み合わせた車両が登場し、国際的な評価を得ました。日産・初代フェアレディZやトヨタ・初代セリカ、三菱・ギャランGTOなど、いずれのモデルも現代の自動車文化に大きな影響を与え続けています。これらの車は、単なる移動手段を超え、1970年代の熱気と技術革新の証として、今も多くの自動車愛好家に愛されています。
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