ランボルギーニの排気量とエンジン性能の秘密とは?主要3モデルのスペック比較

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ランボルギーニの魅力は、大排気量が生む圧倒的なトルクと、回すほどに高揚するサウンドです。本稿では排気量の基礎から、Aventador/Huracán/Urusの実例比較、さらにNA・ターボ・電動化の関係までを整理し、数字と官能が両立する理由を解き明かします。

ランボルギーニの排気量とエンジン性能の基本

ランボルギーニ・プロサングエ(出典:当サイト)

排気量とは何か?

排気量とは、ピストンがシリンダー内を上下することで一度に吸い込める空気(と燃料)の総体積を示す数値で、単位は一般にcm³(cc)やL(リットル)を用います。同じ技術条件であれば、排気量が大きいほど一度に燃やせる混合気が多く、理論的に得られる出力は高くなります。ランボルギーニの歴代フラッグシップは、大排気量・高回転型の自然吸気を得意としてきました。たとえば「アヴェンタドール」では6.5L級V12を搭載し、最新の「Revuelto」でも6.5LのV12を基礎に電動化で総合1015CVという世界観を実現しています。大排気量×高回転で作る官能性は、同社のアイデンティティそのものと言えるでしょう。 (Lamborghini.com)

エンジン性能における排気量の役割

排気量はトルクの土台をつくります。燃焼ごとの“ひと押し”が太くなるため、同じ過給圧や圧縮比なら大排気量ほど低中回転から豊かなトルクを発生しやすく、回転上昇に伴う伸びも余裕があります。さらに排気量が大きいと、吸排気系・カムプロフィール・バルブ径の最適化余地が増え、実用域からサーキット域まで狙った性格に作り込みやすくなります。一方で車両重量、前後重量配分、燃費・排出ガス規制といった“現実解”とのバランスが求められるため、現代のランボルギーニはプラグインハイブリッド(PHEV)やアクティブ・エアロ、統合車両制御で効率と体感性能を両立させています。実例として、6.5L V12×3モーターのRevuelto、4.0L V8ツインターボ×電動化のUrus SEは、排気量に頼り切らず総合性能を高めた最新解です。 (Lamborghini.com)

ポイント(要約)

  • 排気量=一度に燃やせる“空気の器”。大きいほどトルクの土台が太くなります。
  • 現代は「大排気量+電動化+空力+統合制御」で、数字と官能を両立させています。 (Lamborghini.com)

スーパーカーにおける排気量の重要性

スーパーカーでは、カタログ数値以上に“感性価値”が重視されます。大排気量NAのレスポンスや音色は、回転に比例して立ち上がる線形トルクと高周波の吸排気サウンドが魅力で、ドライバーの入力と車の挙動が一致する“生感”を生みます。ランボルギーニは、NAのV12(アヴェンタドール系)やV10(ウラカン系)でその美点を磨きつつ、ALA(Aerodinamica Lamborghini Attiva)やLDVI(Lamborghini Integrated Vehicle Dynamics)といった独自技術で、排気量の魅力を走行状況に最適化してきました。電動化時代でも“音・回転・レスポンス”という官能は維持され、RevueltoやUrus SEが示すように、排気量×電動トルクの相乗で新たな体験価値が拓かれています。 (Lamborghini.com)

主要モデルのエンジンスペック比較

イメージ画像(当サイト)

ランボルギーニには様々なモデルがありますが、代表的な3モデルを紹介します。

アヴェンタドールの特徴とエンジン性能

ランボルギーニ・アヴェンタドールのイメージ(出典:当サイト)

アヴェンタドールの掉尾を飾った「Aventador LP 780-4 Ultimae」は、6,498cm³のNA V12を搭載し、780CV(574kW)/8,500rpm、0–100km/h 2.8秒、最高速355km/hを公称します。自然吸気らしい俊敏なスロットルレスポンスと、高回転域での伸びやかなパワーフィールが持ち味です。最大トルクは531lb-ft(約720Nm)/6,750rpmとされ、軽快な回転上昇と相まって「回して速い」フラッグシップ像を体現します。カーボンモノコック、プッシュロッド式サス、LDS(四輪操舵)など、機構全体がV12の伸びを生かす方向にまとめられていることも注目点です。 (Lamborghini.com, カーアンドドライバー, LamboCars)

主な数値(Ultimae 参考)

ウラカンの特徴とエンジン性能

ランボルギーニ・ウラカン(出典:当サイト)

ウラカンは5.2LのNA V10が核です。代表的な「Huracán Tecnica」は5,204cm³、640CV/8,000rpm、最大トルク565Nm/6,500rpmを発生。LDVIが運転者の操作・外的条件・モードを先読みして車両挙動を統合制御し、NAらしい線形レスポンスを保ったまま限界域のスタビリティを高めます。サーキット志向の「STO」も同出力ながら、エアロと重量最適化で“走りの濃度”を引き上げました。ウラカン系はニュルブルクリンクでの記録更新でも話題となり、アクティブ・エアロ(ALA)が直線とコーナーで必要なダウンフォース/ドラッグを切り替える実効性を示しています。 (Lamborghini.com, WIRED)

主な数値(Tecnica 参考)

  • 排気量:5,204cm³
  • 最高出力:640CV/8,000rpm
  • 最大トルク:565Nm/6,500rpm (Lamborghini.com)

ウルスの特徴とエンジン性能

ランボルギーニ ウルスSE(出典:ランボルギーニ公式サイト)

「Urus」は4.0LツインターボV8でスーパーカー級の走りをSUVパッケージに落とし込んだモデルです。現行のスポーツ志向「Urus Performante」は3,996cm³、666CV/6,000rpm、最大トルク850Nmを掲げ、0–100km/hは3.3秒。ANIMAセレクターがSTRADA/SPORT/CORSAに加え、低μ路のためのRALLYモードまで用意し、路面や用途を問わず出力を使い切れる設計です。さらに最新の「Urus SE」はPHEV化され、システム総合800CV、950Nmを発生。0–100km/h 3.4秒、最高速312km/hを謳い、電動トルクで日常域の俊敏さと静粛性も獲得しています。 (lamborghinisf.com, Lamborghini.com)

主な数値(Performante/SE 参考)

  • Performante:3,996cm³/666CV/850Nm/0–100km/h 3.3秒
  • SE(PHEV):3,996cm³+電動/総合800CV・950Nm/0–100km/h 3.4秒/312km/h (Lamborghini.com)

エンジン性能を引き出す技術

V型エンジンの仕組み

V型は、シリンダーを左右バンクに振り分け“V”字に配置する方式です。直列より全長を短く、重量物であるクランクをコンパクトにまとめられるため、重心・慣性の観点でスポーツ走行に有利です。バンク角やクランクピンの配置で一次・二次振動や点火間隔が調律でき、V12は等間隔点火による滑らかな鼓動、V10はシャープな回転上昇と個性的な咆哮を作り込みやすいのが特徴です。ランボルギーニは、軽量高剛性のカーボンモノコックやエンジン横置きDCT(Revuelto)など、パッケージ全体をV型の利点が最大化するよう設計しており、単なる“配置”にとどまらない総合最適化が図られています。 (Lamborghini.com)

自然吸気とターボの違い

自然吸気(NA)は過給機を持たず、大排気量×高回転で空気を“吸い込む”タイプ。アクセル開度と吸気量の関係が素直で、回転上昇に対して出力が線形に伸びるため、ペダル操作と駆動輪のトラクションが一致しやすく、操る快感が際立ちます。対してターボは排気エネルギーでコンプレッサーを回し、同排気量でも大きな空気量をエンジンへ送り込み、低回転から大トルクを得やすいのが利点です。ランボルギーニは、NAの官能を「アヴェンタドール/ウラカン」で磨きつつ、4.0Lツインターボ(Urus)でSUVにふさわしい実用域トルクと多用途性を提案しました。さらにUrus SEやRevueltoは、電動アシストでターボラグやギア段落ちを埋め、応答遅れを感じさせない“新しいNA的フィール”へと昇華しています。 (Lamborghini.com)

技術を支える代表例

  • ALA(Aerodinamica Lamborghini Attiva):走行状況に応じてダウンフォース/ドラッグを最適化し、直線とコーナーで“欲しい空力”を瞬時に切り替えるアクティブ・エアロ。 (Lamborghini.com)
  • LDVI:運転者入力・環境・モードを先読みして車両挙動を統合。NAの気持ちよさを損なわず限界域の安定を底上げ。 (Lamborghini.com)
  • ANIMA:Urus系の走行モード統括。STRADA/SPORT/CORSAに加え、RALLYやオフロード系モードで幅広い路面に適応。 (Lamborghini.com)

排気量とドライビング体験の関係

イメージ画像(当サイト)

サウンドと加速感の魅力

大排気量NAは、回すほどに音色とピッチが連続的に高まり、吸気と排気の“重奏”がコックピットに流れ込みます。アヴェンタドールのV12は高回転で金属質の伸びを見せ、ウラカンのV10はより鋭く快活なハーモニーを奏でます。過給機を持つUrusでも、可変バルブや排気経路の最適化により、アクセル開度と音圧・トルクの立ち上がりが直感に一致するよう作り込まれ、Performanteでは850Nmという強力な押し出しを短いターボスプールで引き出します。PHEVのUrus SEは、発進直後の“電動の瞬発力”でラグを感じさせず、中回転からはV8の厚いトルクに繋ぎ、電動化が官能を薄めるどころか“味を整える”段階に入ったことを示しています。 (Lamborghini.com)

公道とサーキットでの違い

公道では“扱える速さ”が価値です。NAの線形レスポンスは速度域が低くても操作に対する出力の追随が明瞭で、ワインディングでのリズム形成に寄与します。サーキットでは、絶対的なトルクとエアロマネジメントがラップタイムを左右します。ウラカンのALAは、直線ではドラッグ低減、コーナーではダウンフォース増を瞬時に切り替え、ニュルブルクリンクでの記録更新に貢献しました。SUVであるUrusはANIMAにより路面に応じた車両姿勢を作り、PerformanteやSEでは電子制御デフや新世代トルク配分で“巨体を感じさせない”ターンインを実現します。結論として、ランボルギーニは排気量そのものを誇示するだけでなく、空力・統合制御・電動アシストを組み合わせ、場所と目的に応じて“使える官能”へ翻訳しているのです。 (WIRED, Lamborghini.com)

最後に

ランボルギーニ・イオタのイメージ(出典:当サイト)

結論として、ランボルギーニは排気量を“量”で誇示するだけでなく、ALAやLDVI、電動化を織り込んで“質”を磨いています。大排気量NAの官能に、ターボやモーターの即応性を重ねることで、日常域からサーキットまで一貫して“使える速さ”と強烈な体験を提供します。

要点

  • 排気量はトルクとレスポンスの“土台”であり、ランボルギーニは大排気量に電動化や統合制御(ALA/LDVI/ANIMA)を重ねて体感性能を引き上げています。
  • 主要3モデルでは、Aventador LP 780-4 Ultimaeの6,498cc V12・780CV、Huracán Tecnicaの5,204cc V10・640CV、Urus Performanteの3,996cc V8TT・666CVと、Urus SEのPHEV総合800CVが代表値です。
  • V型配置の利点、NAとターボの特性差、電動トルクの補完で“ラグの少ないNA的フィール”を作り、公道でもサーキットでも“使える速さ”を実現しています。

参考文献

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