ランボルギーニ アヴェンタドールの実燃費は?

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「ランボルギーニ・アヴェンタドール」は、6.5リッターV12自然吸気が奏でる圧倒的な官能と引き換えに、燃費面では厳しい評価を受けがちです。本記事では、公表値と実燃費の傾向を整理し、なぜ“リッター4km前後”と言われるのかを技術的視点で解説。あわせて、日常で実践できる小さな改善策も提示します。
アヴェンタドールの基本情報と燃費性能

公表されている燃費データ
「ランボルギーニ・アヴェンタドール」は2011年〜2022年に生産された6.5リッターV12自然吸気+7速ISRのフラッグシップです。EPA公表値(2022年モデル基準)は11 mpg(市街地9/高速16)で、km/L換算では複合約4.7 km/L・市街地約3.8 km/L・高速約6.8 km/Lとなります。(燃費情報.gov)
欧州WLTPの公表値は仕様により18.0〜19.2 L/100km(約5.6〜5.2 km/L)、一部グレード(SVJ等)では**22.2 L/100km(約4.5 km/L)**というデータもあります。(Lamborghini Stuttgart, Le Guide de l’auto)
実燃費の平均値
実走では、EPA複合11 mpg(約4.7 km/L)を起点に「都市部渋滞中心で3〜4 km/L台、郊外〜高速主体で6〜7 km/L台」に収束するケースが多いと考えるのが妥当です。これは速度が上がるほど空気抵抗が急増し燃費が落ちる一般則(50mph超で燃費悪化が加速)と、停止・加速の多い都市走行でのロスが大きいという特性からの推定です。(The Department of Energy’s Energy.gov, 燃費情報.gov)
他のスーパーカーとの比較
同時代のライバルと公表値(EPA複合)を並べると、アヴェンタドールの「燃費の厳しさ」が見えてきます。
- Ferrari 812 Superfast:13 mpg(約5.5 km/L)。(燃費情報.gov)
- McLaren 720S:18 mpg(約7.7 km/L)。(燃費情報.gov)
- Lamborghini Aventador:11 mpg(約4.7 km/L)。(燃費情報.gov)
同じ大排気量NA V12の812でさえ上回るため、アヴェンタドールの「燃費よりも官能」を優先した設計思想がうかがえます。
リッター4kmの理由

6.5リッターV12自然吸気エンジンの影響
大排気量NAは低負荷時のポンピングロスが大きく、街乗りで燃費を稼ぎにくいのが宿命です。アヴェンタドールにはシリンダー休止(CDS)と超高速スタート/ストップが用意され、複合燃費を約7%改善と説明されていますが、根本的に“燃費優等生”に化ける技術ではありません。高回転域の快楽を優先するV12の性格が、平均値を押し下げる方向に働きます。(The NewsMarket, Lamborghini.com)
車重1.6トン超の重量級ボディ
カーボンモノコックで軽量化しているとはいえ、運転可能状態で1.7トン級に達する個体もあり(LP700-4で約1,731kg)、慣性質量の大きさは発進・加速のエネルギー消費に直結します。ロードスター系では1.6トン超が現実的な数字です。(ウィキペディア)
空力重視のデザインと抵抗
アヴェンタドールSVJのALA 2.0は「状況に応じ高ダウンフォース/低ドラッグを切り替える」高度なアクティブ空力を備えます。直線では抵抗低減に振れる一方、ワインディングやサーキットでは強いダウンフォースを優先するため、結果として「速く走るほど空力抵抗による燃費悪化は避けにくい」というトレードオフが残ります。さらに幅広ハイグリップタイヤは転がり抵抗を増やし燃費に不利に働きます。(Lamborghini.com, ミシュランオーストラリア)
高回転域を楽しむ走行スタイル
NA V12は回してこそ真価を発揮します。ところが一般に速度が上がるほど燃費は急速に低下し、急加速・急減速も燃費を確実に悪化させます。アヴェンタドールの魅力を引き出す走り方は、そのまま数値上の燃費とは相性がよくない——これが**「リッター4km前後」**という体感的評価が生まれやすい背景です。(The Department of Energy’s Energy.gov)
アヴェンタドールの燃費に関する疑問とまとめ

燃費を少しでも改善する運転方法
劇的に良くはなりませんが、「数%」の積み重ねは可能です。
- 速度を抑え一定走行:50mph(約80km/h)超で燃費が急低下。高速でも“無闇に踏まない”。(The Department of Energy’s Energy.gov)
- 滑らかな操作:急加速・急減速を避け、見通し運転でブレーキ回数を減らす。(The Department of Energy’s Energy.gov)
- タイヤ空気圧の適正化+荷物の削減:転がり抵抗の悪化を防ぐ。(ミシュランオーストラリア)
- Stradaモード主体+CDS活用:低負荷域でのシリンダー休止とストップ/スタートを素直に使う。(The NewsMarket)
スーパーカーに燃費を求めるべきか
結論として、アヴェンタドールの価値軸は燃費ではありません。EPA複合約4.7 km/L、WLTPでも5 km/L前後という数値は「官能とパフォーマンスの代償」と理解するのが自然です。他方で市場全体は電動化へ舵を切っており、後継のRevueltoのようにハイブリッド化で効率を底上げする流れも進みます。とはいえ、V12 NAの魅力を味わうなら、燃料計の動きも含めて楽しむ——それがアヴェンタドールというクルマの正しい付き合い方だといえるでしょう。(The Verge)
最後に

アヴェンタドールの燃費はEPA約4.7 km/L、実走で3〜7 km/Lが目安です。V12 NAの特性、重量、空力とタイヤ、走り方が数値を左右します。運転工夫で数%は縮められますが、本質は“燃費より体験”。燃料計の減りすら演出の一部と捉え、唯一無二のサウンドとレスポンスを楽しむ——それがこのスーパーカーと賢く付き合う流儀です。
要点
- 公表燃費はEPA複合11 mpg(約4.7 km/L)、WLTPで約5 km/L前後。実燃費は街中で3〜4 km/L、高速主体で6〜7 km/Lに収まりやすいです。
- リッター4 km級の主因は6.5L V12 NAの特性、1.6〜1.7トン級の重量、ダウンフォース重視の空力と太いタイヤ、そして高回転を多用する走行スタイルです。
- 改善策は一定速巡航・滑らかな操作・適正空気圧・Strada+CDS/停止保持の活用など。ただしアヴェンタドールは燃費より官能性能を重視するクルマです。
参考文献
- U.S. DOE/EPA fueleconomy.gov(2022年 Aventador:11/9/16 mpg、720S:18/15/22 mpg、812 Superfast:13/12/16 mpg)。(燃費情報.gov, 燃費情報.gov)
- Lamborghini(CDS/スタート&ストップ、ALA 2.0の解説、WLTP燃費レンジ)。(The NewsMarket, Lamborghini.com, Lamborghini Stuttgart)
- The Car Guide / Guide Auto(アヴェンタドールSVJの22.2L/100km)。(Le Guide de l’auto)
- Wikipedia(Aventadorの重量・諸元の概観)。(ウィキペディア)
- U.S. DOE/Energy Saver(速度・運転習慣と燃費の関係)。(The Department of Energy’s Energy.gov)
- Michelin(転がり抵抗と燃費への影響)。(ミシュランオーストラリア)
(注)本文中のkm/L換算は公的値(mpg・L/100km)から算出した目安です。EPAとWLTPで試験条件が異なるため、数値は横並び比較ではなく傾向把握としてご参照ください。
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