マツダ車の実馬力

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本記事は「カタログ値」と実走状態で測る“実馬力”のギャップに注目し、デミオ15MB、NAロードスター、ランティス・タイプR、AZ-1を取り上げて考察しました。計測機の方式や補正、個体差、整備状況、気象条件まで出力に影響します。そこで公開計測例と一次情報を突き合わせ、数値の背景にある“理由”を丁寧に読み解きました。読み手が同条件で比較し、納得感のある判断を下せる視点を提示します。

デミオ 15MB型

マツダ・デミオ 15MB(出典:当サイト)

デミオ15MB(DJLFS/P5-VPS)はカタログ値で116PS/6000rpm、15.1kgm/4000rpmです。ハイオク指定と6MT、軽量装備でモータースポーツを意識した仕様ですが、実測値を見るとその“素性の良さ”が数値にも現れます。R Magicの現車セッティング記録では、まずスピードリミッタ解除のみの状態でダイナパック計測90.9PS・12.4kgm、その後点火・VVT最適化で101.6PS・13.6kgmという結果が示され、ショップ側は「カタログ116PSから逆算すると実質130PS程度」とコメントしています。ここでのPSはハブ直結式の“車輪(ハブ)出力”で、ローラー式より高めに出る傾向がある点は勘案が必要です。とはいえ、ノーマルでも90PS台後半、軽い最適化で100PS超というのは、P5-VPSの吸排気効率と圧縮比(15MBは高圧縮・ハイオク仕様)が活きている証左と捉えられます。 (みんカラ, auto-craft.net)

マツダ・デミオ 15MB(出典:当サイト)

さらに、オーデュラ(Odula)の開発ブログ由来として“実測131PS”という情報を引用したユーザー記録も複数見られます。原典ブログは同社の開発計測記事とされ、掲示ではデミオ15MBがカタログ値を上回る出力を示した旨が共有されています。個体差や計測条件の違いはあるものの、15MBが“カタログ以上に元気”という傾向は動画でのパワーチェック企画でも確認でき、計測方式を揃えて比較すれば、同系1.5LのNDロードスターに迫る実出力を出す個体もあるというのが実態です。ここから言えるのは、15MBは補記類や点火・VVTの最適化で「体感がはっきり変わる」余地が大きいということです。 (みんカラ, YouTube)

ロードスター NA型

マツダ・初代ロードスター(NA型)のイメージ(出典:当サイト)

NA型は前期の1.6L(NA6CE)と後期の1.8L(NA8C)で性格が違います。1.6Lは新車時で120PS級ですが、各国のオーナー計測をまとめると、完全ノーマル・健調個体でおおむね92〜98whp(ホイール出力)程度に収まるケースが多いという報告が古くからあり、馬力に換算すると102~109PS。年式相応の経年を考えれば、整備状態次第で90whp前後まで下がることも珍しくありません。逆に吸排気の健全化や点火系のリフレッシュだけで“カタログ時代の爽快感”が戻る例も散見されます。これはBP/B6系の素直な吸気応答と、軽い車重が数値以上の体感に結びつくためです。 (virkki.com, Occam’s Racer)

マツダ・初代ロードスター(NA型)のイメージ(出典:当サイト)

1.8LのNA8Cでは、国内のシャシダイ計測で129.1PS/6750rpm・15.3kgmという実測例があり、走行20万km・吸排気軽整備という条件でカタログ近似のパワーカーブを示しました。さらに、各地の計測会リザルトを集めたランキングでは、仕様差を反映しつつ130PS台を記録するNA8Cの例も並びます。ダイナパック使用時にはハブ直結ゆえに高めの数値が出やすいこと、ローラー式は固定・タイヤ条件で再現性が揺らぐことを理解して比較すると、NA8Cは実用回転域のトルク厚みが体感加速に効くタイプで、数値と楽しさの“乖離”が少ないのが持ち味だと評価できます。 (みんカラ, a-rf.com, auto-craft.net)

ランティスクーペ タイプR

マツダ・ランティスクーペ (タイプR)のイメージ(出典:当サイト)

ランティスのタイプRはJDM限定の希少グレードで、2.0L KF-ZE(10:1〜10.5:1の高圧縮DOHC V6)を搭載し、カタログ170PS/7000rpm・18.3kgm/5500rpmと公称されます。車両の個体数が少ないためか、公開された“完全ノーマルのシャシダイ実測”は多くありませんが、同系KF-ZEを積む海外個体(323F/MX-6等)ではダイノダイナミクス計で78kW=約105whpという例や、仕様次第で100〜120whp台の報告が散見されます。FFレイアウトかつ年式相応の経年、さらに吸排気の状態差を考慮すると、健調な日本仕様タイプRのホイール出力は概ね115〜135PS程度(推定)に収まるとみるのが妥当です。これは公称170PSからドライブトレイン損失や補機条件を差し引いた“現実解”で、数値の絶対値よりもVRIS付きV6の滑らかなトルク曲線が実走での速さに効く、というキャラクターが肝要です。筑波1分14秒台という当時のテスト記録も残っており、シャシーとエンジンの総合力で魅せるタイプだと言えます。 (ウィキペディア, autospeed.com)

オートザムAZ-1

オートザムAZ-1のイメージ(出典:当サイト)

AZ-1は657cc F6Aターボでカタログ64PS/6500rpm・8.7kgm/4000rpmという“軽自主規制上限”の数値を持ちますが、実測ではそれ以上を示す例が珍しくありません。代表的な計測記録では、ほぼノーマル個体がダイノ上で73hp/6000rpm、別条件で77〜83hpという推移が公開されています。MRレイアウトで駆動系の損失が少ないこと、ターボの過給誤差や補正条件の違いが影響しやすいことが背景にあります。国内メディアやカタログ情報でも64PS・車重約720kgという基本データに触れられており、実走では“数字以上に軽快”という評価が定番です。こうした車両は特に吸気温・点火・燃調のコンディションが出力に直結しますから、同じノーマルでも整備状態次第で体感差が出やすいことを覚えておくと良いでしょう。 (Anything Wheeled, ウィキペディア, GAZOO.com)

最後に

イメージ画像(当サイト)

実馬力は絶対値ではなく「条件付きの指標」です。方式と補正をそろえ、メンテや吸排気の状態を明示すれば、数値ははじめて比較可能になります。デミオ15MBは強い基礎体力、NAロードスターは数値以上の楽しさ、ランティスRは公称と特性の理解、AZ-1は計測条件の影響が要点でした。購入やチューニング判断では、数値“だけ”でなく、その裏側にある前提まで含めて読み解く姿勢が有効です。

要点

  • 実馬力は計測方式(ローラー/ハブ直結)と補正係数で大きく変わるため、同条件で比較することが重要です。スーパーオートバックスやCarSensorの解説が示す通り、方式ごとの傾向差は無視できません。 (superautobacs.com, carsensor)
  • デミオ15MBはR Magicの実測記録でハブ計測90.9→101.6psへ向上例があり、素性の良さが裏付けられます。NAロードスターは1.6Lで概ね90~100whp程度、1.8Lは110~115whp前後が目安との報告が多いです。 (みんカラ, Reddit, Virkki, Miata Forum)
  • ランティス・タイプR(KF-ZE)は公称170psが基礎情報。公開実測は乏しく慎重な解釈が必要です。AZ-1は公称64psながら、Dyno計測で72~73hpという報告もあり、方式・補正で見え方が変わります。 (Goo-net Exchange, ウィキペディア, YouTube)

参考文献

  • R Magic「デミオ15MBセッティング完了(ダイナパック計測記録)」
    https://minkara.carview.co.jp/userid/154459/blog/38070953/ (みんカラ)
  • WebCG「マツダ・デミオ15MB 試乗記」(P5-VPS諸元)
    https://www.webcg.net/articles/-/34274 (WebCG)
  • マツダ公式:デミオ 主要諸元PDF(15MB公称値)
    https://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/demio/common/pdf/demio_specification_201811.pdf (Mazda)
  • スーパーオートバックス「パワーチェック(シャシダイの種類解説)」
    https://www.superautobacs.com/sports_tuning/power_check/top.html (superautobacs.com)
  • CarSensor EDGE「意外と身近なパワーチェックのやり方」
    https://www.carsensor.net/contents/editor/category_1471/_64621.html (carsensor)
  • Reddit r/Miata「Stock 1.6 dyno(94~101whp例)」
    https://www.reddit.com/r/Miata/comments/t0a34r/heres_a_stock_16_dyno_i_did_today/ (Reddit)
  • Jyri’s Miata(1.6Lボーンストックは約92~98whpが多い旨)
    https://www.virkki.com/jyri/miata/jyri_dyno.html (Virkki)
  • Miata.net Forum「Stock wheel HP?(1.6=95~100whp、1.8=110~115whp目安)」
    https://forum.miata.net/vb/showthread.php?t=423739 (Miata Forum)
  • A-RF「ロードスターNA パワーチェックランキング」(実測リザルト集)
    https://a-rf.com/Shop/ChassiDynamo/ranking/roadster_na/index.html (a-rf.com)
  • Goo-net Exchange「マツダ ランティス Type R 諸元(KF-ZE/170ps)」
    https://www.goo-net-exchange.com/catalog/MAZDA__LANTIS/2501469/ (Goo-net Exchange)
  • Wikipedia「Mazda Lantis」(Type R解説・補助情報)
    https://en.wikipedia.org/wiki/Mazda_Lantis (ウィキペディア)
  • Wikipedia「Autozam AZ-1」(車両基本情報)
    https://en.wikipedia.org/wiki/Autozam_AZ-1 (ウィキペディア)
  • YouTube「Autozam AZ-1/Suzuki Cara Dyno Runs(72~73hp報告)」
    https://www.youtube.com/watch?v=TLgaeGEJYXo (YouTube)

※実馬力は計測方式・補正・環境・個体差で上下します。引用先は“傾向把握”の材料としてご参照ください。

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