BMW 新型4シリーズが売れない理由と購入時の注意点

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本記事はBMW 新型4シリーズおよび高性能版M4が販売面で伸び悩む理由を、デザイン、価格、装備・実用性、維持費、リセールの観点から解説します。賛否が分かれるフロントマスクやUIの使い勝手、ライバルとの価格接近といった論点を、購入者の目線で解説し、検討時の注意点と適したユーザー像まで具体的に示します。
新型4シリーズが売れない理由

(出典:当サイト)
デザインの賛否と大きなグリルへの不満
現行4シリーズの象徴である縦長キドニーグリルは、登場当初から賛否が割れ、LCI(マイナーチェンジ)後も存在感は維持されました。ライト意匠やレーザー・テールライトなどの更新で精悍さは増したものの、“顔”の好みが購入決定に直結するクーペでは、拒否反応が起きやすいのも事実です。デザイン性が強すぎるがゆえに裾野が狭まり、指名買い以外の層を取りこぼしやすいのです。(Motor1.com, webCG, autobild.jp)
価格設定がライバルより高い
エントリーの「420i クーペ」は7,260,000円〜と競争力がありますが、「M440i xDrive」は11,360,000円、「M4 Competition M xDrive」は15,040,000円へと一気にハイプライス帯に突入します。このレンジは「RS5 Sportback」(14,570,000円)や、上を見れば「911 Carrera」(18,530,000円)とも価格が近接。結果として“もう少し出せば別世界”の比較が起き、検討が割れる構図になりやすいのです。対して「Mercedes CLE 200」は820〜854万円台が中心で、装備次第で割安感を演出しやすい点も逆風です。(bmw.co.jp, グーネット, porsche.com, webCG, 価格.com)
内装の質感と装備の物足りなさ
質感自体は高い一方、最新のiDrive 8/8.5で物理ボタン(とくに空調系)が減ったことへの不満は根強いです。頻用操作を画面経由に集約した思想は走行中の直感性で賛否が分かれ、「使い勝手で評価を落とす」場面が散見されます。もっとも、現行4シリーズ/M4はコントローラー自体を残し、音声操作と併用できるため、設定次第でストレスは軽減可能です。(The Drive, BMW BLOG, bmw.co.jp)
実用性よりデザイン重視の設計
2ドアのクーペ/カブリオレは、後席ヘッドルームや乗降性で実用に制約が出やすく、荷室開口の狭さも日常使いでは不利です。グラン クーペは5ドアの利便性が魅力ですが、同価格帯のセダン/SUVと比べると“同伴者ファースト”な用途では選ばれにくい傾向があります。
- クーペ後席は頭上空間がタイト。
- トランクは容量は十分でも開口が狭く積み下ろしに工夫が必要。
- グラン クーペは荷室は広いが全高は低めで大物はやや不向き。(carwow.co.uk, parkers.co.uk, USニュース車)
購入前に知っておくべき注意点

(出典:当サイト)
維持費や修理費が高額になりやすい
輸入車としての基本コストに加え、M4は消耗品の単価が高めです。幅広ハイグリップタイヤや大径ブレーキは交換サイクルが早く、走りを楽しむほど費用も跳ね上がります。一般整備では診断料や工賃の比率が大きくなりやすい点も心得ておきたいポイントです。
- タイヤ/ブレーキ交換は“数十万円”単位に達しやすい。
- 定期点検やオイル交換も国産比で割高。
- 電子制御系は診断時間=費用に直結。(Toprank, bmw-seibi.jp, ニコニコ車検, 京都最大級のBMW中古車専門店アレス)
中古市場でのリセールバリューの低さ
4シリーズ(5年落ち)は概ね30〜48%台、M4でも45%前後というデータがあり、SUVや一部国産プレミアムに比べると残価率は伸びにくい傾向です。購入時は「残価設定ローン」やグレード/色選びで出口を設計しておくとダメージを抑えられます。(中古車のガリバー, UcarPAC)
競合モデルとの比較が不可欠
価格・装備・実用の“総合点”で見比べると判断がクリアになります。
- 価格:420iと「Mercedes CLE 200」の支払総額差/装備差。(bmw.co.jp, 価格.com)
- 実用:グラン クーペの荷室と同価格帯セダン/SUVの積載性。(USニュース車)
- UI/装備:iDrive 8.5の操作性とライバルの物理スイッチ量。(The Drive)
BMW 4シリーズを選ぶべき人とは

(出典:当サイト)
個性的なデザインを重視する人
“ひと目でBMW”とわかる大胆なフロントマスクは、所有満足を強く刺激します。街で被りにくいデザインを求めるなら強力なアドバンテージです。LCIで光の演出も洗練され、ナイトシーンの存在感は抜群です。(webCG)
走行性能やハンドリングに魅力を感じる人
M4のシャシー剛性とS58の厚いトルクは、ワインディングでも高速でも“運転そのもの”の楽しさを濃く味わえます。M440i xDriveも0-100km/h 4.7秒(欧州測定値)と十分に速く、日常からスポーツ走行まで間口が広いのが美点です。(Car and Driver, bmw.co.jp)
他人と違う車に乗りたい人
クーペ市場が縮小し、二枚扉のライバルが次々と整理されるなか(Audi A5/S5/RS5の2ドア終了、Lexus RCの終売報道など)、4シリーズとM4の希少性はむしろ高まっています。“今あえてクーペ”という選択が個性を際立たせます。(Car and Driver, Creative Trend, carsensor)
最後に

(出典:当サイト)
売れ行きの弱さは欠点の多さよりも“尖った個性”の裏返しです。価格や維持費、実用性に納得でき、走行性能とデザイン性を強く求めるなら4シリーズ/M4は有力です。対して迷いが残るなら、競合との装備・総支払額・使い勝手を冷静に比較し、残価や色・グレード選びまで含めた出口設計を描いて決めることをおすすめします。
要点
- 縦長キドニーグリルなどデザインの賛否、iDriveの操作性、2ドア由来の実用性制約が指名買い以外を遠ざけやすいです。
- 価格がMercedes CLEやAudi RS5、Porsche 911などと近接し、「もう少し出せば別の世界」という比較が生じやすいです。
- 維持費・リセールで不利になりがちな一方、走りと個性を重視する人には刺さるため、競合比較と“出口設計”が不可欠です。
参考文献
- BMW Japan:4シリーズ/M4日本仕様・価格・装備情報。(bmw.co.jp)
- webCG/AutoBild Japan:4シリーズLCIの内容と日本導入時期。(webCG, autobild.jp)
- Motor1 / Car and Driver:グリル論争とA5系2ドア終了。(Motor1.com, Car and Driver)
- The Drive / BMWBlog:iDrive 8/8.5と物理スイッチの議論。(The Drive, BMW BLOG)
- Parkers / U.S. News:実用性(荷室・後席)評価。(parkers.co.uk, USニュース車)
- 価格.com / Goo-net:国内価格・相場の参照。(価格.com, グーネット)
- ガリバー / UcarPAC:リセールバリューの傾向。(中古車のガリバー, UcarPAC)
- Porsche Japan:911の日本価格(比較用)。(porsche.com)
※各数値は記事公開時点の公式情報・一次情報を優先して参照しています。購入検討時は最新の装備・価格表をご確認ください。
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