【トヨタ・ハリアーの盗難率が高い理由】狙われる原因とオーナーに伝えたい防犯対策

SUV人気が高まる中で、トヨタ・ハリアーはスタイリッシュなデザインと快適性から多くのドライバーに選ばれています。一方で近年は盗難ランキングやニュースで名前を見かけることも増え、「本当に狙われやすいのか」「自分のクルマは大丈夫か」と不安を抱くオーナーも少なくありません。本記事では公開されている統計データや専門サイトの解説をもとに、ハリアーが狙われる理由と盗難手口、そして今日から実践できる防犯対策を整理します。(損保ジャパン)

ハリアーが盗難されやすいと言われる理由

近年の自動車盗難の傾向と統計データ

ここ数年、日本全体の自動車盗難件数は一時期より減少していたものの、警察庁の統計を紹介する最新レポートでは、2023年の認知件数5,742件から2024年は6,080件へと再び増加に転じています。(車選びドットコム)都道府県別に見ると、愛知県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、大阪府といった地域に被害が集中しており、これらのエリアには不正輸出のためのヤードや保管場所が多いことが指摘されています。(インスウェブ)日本損害保険協会の「車名別盗難状況」をまとめたデータでは、ランドクルーザー、アルファード、プリウス、レクサスLX／RX、ハイエース、クラウンなどトヨタ・レクサス車が盗難車ランキングの上位を占めています。(インスウェブ)その中で2023年のランキングを見ると、ハリアーは車名別9位に入っており、「盗難件数トップクラス」とまでは言えないものの、明らかに狙われる側の車種に含まれていることが分かります。(インスウェブ)

一方で、統計上の件数だけを見れば、ランドクルーザーやアルファードのような“常連”上位車種ほど極端に多いわけではありません。しかしハリアーは車両価格が高く、1件あたりの損害額が大きくなりやすいモデルです。その意味では「盗難件数よりも、盗まれたときのダメージが大きいSUV」として、警戒すべきポジションにあるといえます。(with ランクル)

トヨタ車が特に狙われる背景

トヨタ車が盗難ランキングの上位を独占する最大の理由は、「世界的なブランド力」と「流通量の多さ」にあります。盗難車の統計を解説する記事でも、ランドクルーザーやハイエース、アルファードなどが中東・アフリカ・東南アジア向けの不正輸出ルートで高値で取引されている実態が紹介されています。(車選びドットコム)またトヨタ車は国内外の中古部品市場が非常に大きく、パーツの互換性も高いことから、「部品取り車」としての価値も高いとされています。(ジェームス)
盗難車が解体され、ボディ、足まわり、内装、電子部品などに分けられて流通してしまうと、元の車両を特定するのはほとんど不可能です。ハリアーも、こうした「人気トヨタSUV」という枠組みの中に含まれています。盗難ランキング上位常連ほど数字が突出しているわけではありませんが、高年式・高グレードのハリアーは国内外で需要が高く、窃盗団から見れば「盗んだあとに売りやすい車種」のひとつと見られていることが、専門サイトの分析から読み取れます。(with ランクル)

高級SUVとしての人気とリセールバリューの高さ

ハリアーは、「少し背伸びしたい層」が選ぶプレミアムSUVとして長年人気を集めてきました。現行80系では、ハイブリッドや上級グレードを中心に新車価格が高く、中古車市場でも値落ちしにくいモデルとして紹介されています。(with ランクル)こうした背景から、窃盗団にとってハリアーは「換金性の高い商品」として位置づけられています。特に上級グレードやハイブリッドモデルは、中古市場での流通量が多い割に価格帯が高く、盗難後の転売やパーツ販売で利益を出しやすいとされています。(with ランクル)

さらに、ハリアーは海外でも人気があり、日本から輸出された中古SUVとして一定価格で取引される事例が報告されています。(ラグジュアリーモーターズ：世界のプレミアムカー・高級車ガイド)国内外での需要の高さ、リセールバリューの強さが重なり、「盗む価値が高い車」として狙われる土台になっていると考えられます。

犯罪グループが狙う「ハリアー」の特徴

海外需要の高さと不正輸出ルート

盗難車の多くは、国内で長く乗り回されるのではなく、いったん保管場所で“冷却”された後、海外へ輸出されるケースが多いとされています。盗難車の実態をまとめた記事でも、ランドクルーザーやハイエース、アルファードなどのトヨタ車が、中東・アフリカ・東南アジア向けに不正輸出されていると紹介されています。(車選びドットコム)

ハリアーも海外での人気が高く、日本発の中古SUVとして高値で取引されやすいモデルです。日本国内で盗難に遭ったハリアーが海外市場で流通する、あるいは分解されてパーツ単位で輸出される例があるとされており、組織的な窃盗グループから「狙う価値のある車種」と見なされていることが分かります。(with ランクル)

部品取り目的の盗難とその流通経路

ハリアーは車両本体としてだけでなく、「パーツ単位」の価値が非常に高い車です。とくに上級グレードに装着されるアルミホイール、エアロパーツ、ヘッドライト、テールランプ、シートや内装トリムなどは新品・中古ともに高額で、窃盗団にとっては“バラして売る”ことで効率よく現金化できる対象だと指摘されています。(with ランクル)

実際の被害例として、車両ごと消えるケースだけでなく、「朝起きたらホイールがすべて外されていた」「ナンバープレートやドアミラーだけ盗まれていた」といった部分盗難の事例も紹介されています。(ラグジュアリーモーターズ：世界のプレミアムカー・高級車ガイド)このようにして盗まれたパーツは、国内の中古パーツ市場やネットオークション、解体業者を経由した海外輸出など、正規流通と見分けがつきにくいルートに紛れ込みます。一度分解されてしまった部品を個別に追跡するのはほぼ不可能であり、「人気パーツが多い車ほど、跡形もなく消えやすい」という厳しい現実があります。(ジェームス)

駐車環境や居住地域によるリスク差

ハリアーの盗難リスクは、車そのものの人気だけでなく、「どこに停めているか」によっても大きく左右されます。日本損害保険協会の調査をもとにした分析では、愛知県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、大阪府などで車両本体盗難が多く、これらの地域には不正輸出のためのヤードや保管場所が多いとされています。(インスウェブ)

また、防犯解説記事では、盗難の多くが深夜から明け方にかけて、屋外の契約駐車場や自宅の屋外駐車スペースで発生していることが示されています。(ジェームス)人目が少なく暗い場所、フェンスや建物に囲まれて視認性が低い場所は、窃盗団にとって「時間をかけやすい環境」です。

逆に、照明が明るく通行人の目が届きやすい場所、監視カメラや警備会社の見守りがある駐車場では、同じハリアーでも狙われにくくなります。犯人は常に「短時間で、安全に逃げられるか」を計算しているため、環境面で“面倒そうな車”に見せることが、重要な防犯対策になると考えられます。(ジェームス)

盗難手口の進化と最新トレンド

スマートキーを悪用する「リレーアタック」とは

リレーアタックとは、スマートキーから常時発信されている微弱な電波を特殊な機器で増幅・中継し、実際には鍵を持っていない犯人が車に「鍵が近くにある」と誤認させて解錠・エンジン始動を行う手口です。(ジェームス)本来スマートキーの電波が届く範囲は1〜3m程度ですが、犯人が自宅付近などで電波を拾い、別の犯人へ“リレー”することで、車両付近でロック解除ができてしまいます。

この方法は窓ガラスや鍵穴を物理的に壊す必要がなく、短時間かつ静かに犯行を行えるのが特徴です。ハリアーを含む多くの最新トヨタ車がスマートキーを採用しているため、オーナーが「鍵を持って家の中にいるだけ」では十分な対策にならない点が問題視されています。(ジェームス)

CANインベーダー（車両配線侵入）による盗難h3
近年、とくに警戒されているのが「CANインベーダー」と呼ばれる手口です。これは、車内に張り巡らされた電子制御ユニット同士をつなぐ通信網（CAN）に外部から専用機器を接続し、不正にドアロック解除やエンジン始動の信号を送り込むものです。(ジェームス)バンパー周辺やヘッドライト付近など、外装パネルのすき間から配線にアクセスすることで、イモビライザーなど純正セキュリティを迂回してしまいます。

CANインベーダーは鍵穴破壊や窓割りを行う必要がなく、短時間で犯行が完了するケースが報告されています。(ジェームス)現場に目立つ破壊跡が残りにくいため、「いつ・どのように盗まれたのか」を特定しづらい点も厄介です。80系ハリアーのように電子制御が多用された最新SUVは、この種の電子的ハッキング手口への備えが特に重要になります。(ラグジュアリーモーターズ：世界のプレミアムカー・高級車ガイド)

「コードグラバー」など電子的な解錠手法の増加

コードグラバーは、本来スマートキーのIDコードを読み取りスペアキーを作成するための機器ですが、この装置を悪用した盗難が問題になっています。(ジェームス)
犯人はオーナーが施錠操作を行うタイミングなどでスマートキーの電波を受信し、IDコードをコピーします。コードグラバーは100〜500mの範囲で電波を読み取れるとされ、コピーされたIDから作られた偽のスマートキーを使えば、純正キーと同様にドア解錠やエンジン始動が可能になります。(ジェームス)

リレーアタックやコードグラバー、CANインベーダーに共通するのは、「車両側の電子制御を乗っ取る」手口であることです。物理的なこじ開け対策だけでは十分とは言えず、最新の盗難対策では電子的な防御と物理的ロックを組み合わせた“多層防御”が重要だと、複数の専門サイトが強調しています。(ジェームス)

ハリアーオーナーができる最強の防犯対策

スマートキー電波を遮断する「電波遮断ポーチ」

リレーアタックやコードグラバーは、スマートキーから出ている微弱な電波を悪用する手口です。そのため、まず行いたいのが「スマートキーの電波を外に漏らさない」対策です。防犯解説の記事でも、電波を遮断できる専用ポーチや金属製の缶にキーを保管する方法が、基本的な対策として紹介されています。(ジェームス)

自宅では玄関付近に鍵を置かず、室内の奥で電波遮断ポーチなどに入れておくことが推奨されています。外出先でも、スマートキーをカバンのポケットにそのまま入れっぱなしにせず、同様のケースに入れることで、犯人に電波を拾われるリスクを抑えられます。(ジェームス)

ステアリングロック・タイヤロックの併用

電子的な盗難手口が増えている現在でも、「物理ロック」は有効な抑止力として位置づけられています。カー用品店の解説でも、ハンドルロックやタイヤロック、ペダルロックなどは解除に時間がかかり、装着していること自体が外から見て分かるため、「この車は面倒そうだ」と窃盗団に思わせる効果があると説明されています。(ジェームス)

ハリアーのような人気SUVは、犯人側から見れば「短時間で持ち去れるかどうか」が重要です。たとえ電子的な侵入を許したとしても、ステアリングが物理的に固定されていればそのまま走り去ることは困難になります。周囲にもっと無防備な車があれば、ターゲットがそちらへ移る可能性が高まるため、「面倒くさい車」に見せることが大切です。(ジェームス)

防犯カメラ・駐車位置の見直し

防犯マニュアルや警察の啓発資料では、「どこに停めるか」を見直すことも重要な対策とされています。人目につきやすく、明るく、見通しの良い場所に駐車することが基本で、屋外の月極駐車場でもできるだけ出入口や道路に近く、周囲から車が見えやすい区画を選ぶのが望ましいとされています。(ジェームス)

自宅にスペースがあるなら、防犯カメラや人感センサーライトを設置するのも有効です。窃盗団は「暗くて人目がない場所」を好むため、ライトが点灯するだけでも犯行をあきらめるケースがあります。賃貸住宅などで本格的な設備導入が難しい場合は、ダミーカメラや防犯ステッカーを活用する方法も紹介されています。(ジェームス)

GPS追跡装置の活用とその効果

どれだけ防犯対策をしても、盗難リスクをゼロにすることはできません。そこで近年注目されているのが、スマホと連動して位置情報を確認できる車両用GPSトラッカーです。車両内部に小型端末を隠しておけば、万が一盗難に遭っても、電源が切られない限り現在位置を追跡できる可能性があります。(with ランクル)

盗難車をGPSで追跡し、保管ヤードの特定や犯人逮捕につながった国内事例も紹介されています。犯人がすぐに海外へ持ち出さず、いったん倉庫などに隠すケースが多いことを踏まえると、早期に位置情報を把握できるかどうかが「取り戻せるかどうか」の分かれ目になると言えます。(with ランクル)

保険と盗難補償サービスの見直しh3
最後に、盗難時の「経済的な備え」も欠かせません。日本損害保険協会の調査をまとめた資料では、ランドクルーザーやアルファードなど高額車両の盗難で、保険金の支払件数が多いことが示されています。(インスウェブ)ハリアーも価格帯としては同じグループに入るため、被害時の損失は決して小さくありません。

そのため、ハリアーのオーナーは、車両保険に盗難補償が含まれているかどうか、時価額や免責金額、代車特約の有無などを改めて確認しておくことが推奨されています。(with ランクル)物理ロックや電子セキュリティ、駐車環境の見直しに加えて、保険で「最悪の事態」に備えておくことで、精神的な安心感も大きく変わってきます。

最後に

ハリアーは「人気があり売りやすいSUV」であるがゆえに、プロの窃盗団から狙われやすい立場にあります。リレーアタックやCANインベーダーなど手口は年々巧妙化しており、「鍵を掛けておけば安心」という時代ではありません。だからこそ、電波遮断や物理ロック、駐車環境やGPSの活用、保険の盗難補償の見直しといった多層的な対策を組み合わせることが重要です。被害を完全にゼロにはできなくても、「このクルマは面倒だ」と思わせる工夫で、盗難の標的から外れる可能性を着実に高めることができます。

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