【RWBポルシェが「ダサい」理由】ポルシェカスタムの真価を徹底解剖

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Rauh-Welt Begriff、通称RWBは、日本のチューナーAkira Nakai氏が手掛ける、空冷911を中心としたワイドボディカスタムブランドです。極端なオーバーフェンダー、鬼キャン気味の太いタイヤ、レーシングカーのようなウイング──その強烈な見た目から、世界中で熱狂的なファンを生む一方、「ポルシェを台無しにしている」「さすがにやり過ぎでダサい」といった声も根強く存在します。(rwb.jp)この記事では、RWBポルシェが「ダサい」と言われてしまう理由と、その裏側にある哲学や魅力、実際にカスタムを検討する際の注意点までを、自動車メディアの視点からじっくり掘り下げていきます。

「ダサい」と評価される4つの理由

ポルシェ・RWBのイメージ
(出典:闘志エンジン)

過激なワイドボディでポルシェ本来のイメージを壊している

RWBの最大の特徴は、空冷911のボディを大きく切り広げ、極端にワイドなフェンダーとディープリムホイールをねじ込むスタイルです。レーシングカーのグループ5やGTマシンを思わせる迫力がある一方で、「911はもっと上品でシンプルなスポーツカーであるべき」と考えるポルシェ・ファンからは、どうしても違和感を持たれやすいポイントでもあります。(Top Gear)

また、純正では綺麗なアーチを描いていたフェンダーラインに、カクカクとしたブリスターフェンダーを被せることで、オリジナルのプロポーションが大きく変わります。写真だけで見ると「ゲームの改造車みたい」「ショーカーとしてやり過ぎ」と感じる人も多く、ここから「ダサい」という評価が生まれやすいと考えられます。

リベット留めフェンダーの無骨さが洗練さを損なう

RWBのフェンダーは、基本的にボディをカットした上で、リベットやボルトでダイレクトに留める手法が用いられます。製作過程では、フェンダーのカットもほぼフリーハンドで行われ、シーラーやゴムモールで隙間を埋めていくという、非常にアナログで「荒々しい」やり方です。(Drifted.com)

この「切って・貼って・リベットで止める」見た目は、ストリートレーサー的な味わいがある一方で、

  • 工業製品としての精度を重んじる人
  • Porscheのボディ精度や塗装クオリティを尊ぶオーナー

からすると、「雑に見える」「高級車らしさが消えている」と映りがちです。その結果、SNSでは「DIY感が強過ぎてダサい」というコメントも散見されます。

クラシックカーのオリジナル性を壊していると感じる人が多い

RWBのベースとなるのは、911(930)、964、993など、いまやクラシックとして高く評価される世代が中心です。これらは純正のままでも価値が高く、市場価格も年々上昇しています。(RWB)

そのような個体のフェンダーをカットし、二度と戻せない形でワイドボディ化してしまうことに対して、

  • 「貴重なクラシック911を切り刻むなんてありえない」
  • 「将来のコレクタブルとしての価値を壊している」

といった批判が起きるのは自然な流れです。特に海外のフォーラムやRedditでは、「butchering(ぶった切る)」という表現でRWBを語るスレッドも見られます。(Reddit)

一部の人には受け入れがたいほど個性的すぎるデザイン

RWBのスタイルは、カラフルなボディカラー、大径ウイング、極端な車高、キャンバー角のついたホイールと、「引き算」ではなく徹底した「足し算」の美学です。そのため、幅広い層に無難に好かれるデザインではなく、最初からターゲットがニッチなカーカルチャーの住人に絞られているとも言えます。(Petrolicious)

結果として、

  • 「サーキット用ならまだしも、街乗りにはやり過ぎ」
  • 「ファッション性が前に出過ぎて、本来のスポーツ性が見えない」

と感じる人にとっては、「カッコいい」より先に「ダサい」「痛い」という評価になってしまいやすいのです。RWBは、まさに好き嫌いがはっきり分かれるデザインと言えるでしょう。

RWBポルシェの魅力がわかる5つの視点

ポルシェ・RWBのイメージ
(出典:闘志エンジン)

世界に1台だけの特別なカスタムカーである

RWBは、同じキットを使っていても、オーナーごとに仕様が異なり、事実上「世界に1台」の存在になります。公式サイトでも「We create only one RWB Porsche for each customer」と明言しており、単なるボディキット販売ではなく、オーナーと対話しながら作り上げる一点モノのプロジェクトとして位置づけられています。(rwb.jp)色、ホイール、デカール、車高、内装など、細部にわたってオーナーの好みを反映できるため、「既製品では満たされない欲求」を満たしてくれる存在と言えます。自分だけの911を持ちたい人にとって、その希少性は大きな魅力になります。

創設者・中井啓氏の哲学と職人技が詰まっている

Akira Nakai氏は元々、ドリフトチーム「Rauh Welt(Rough World)」出身のストリート育ちのチューナーで、千葉県の小さな板金工場から世界的ブランドへと成長してきました。(facebook.com)彼が自らエアソーを持ち、紙巻きタバコをくわえながらボディを切り始める姿は、今やRWBビルドの象徴的な光景です。(Jalopnik)その大胆さの裏には、「クルマは乗って楽しんでこそ価値がある」「完璧さよりも、ストーリーとオーナーの個性を形にすることが大事」という哲学が見えます。RWBの評価は、この“人”に共感できるかどうかで大きく変わると言っても過言ではありません。

見た目だけじゃない!パフォーマンスも進化している

RWBは、見た目のインパクトが先行しがちですが、多くの車両ではサスペンションやタイヤ、ブレーキも同時にアップグレードされます。ワイド化によってトレッドが広がることで、コーナリング時のスタビリティも向上し、サーキット走行を前提とした仕様に仕上げられた個体も少なくありません。(Top Gear)

もちろん、すべてのRWBがレーススペックというわけではなく、あくまでビルド内容はオーナー次第です。ただ、少なくとも「見た目だけで走らない」というイメージはやや過小評価であり、「古い911を現代的なスタンスとグリップに合わせてリフレッシュするチューニング」と捉えることもできます。

アート作品としての価値が高い

RWBポルシェは、「自動車」と同時に「アートピース」としても扱われることが増えています。海外メディアでも、RWBはしばしば「automotive art」「sculpture」と表現され、ギャラリー展示やアートイベントに登場することも珍しくありません。(RWB)

  • ボディカラーやグラフィックの大胆な組み合わせ
  • 車名やビルド名に込められたストーリー
  • 各国の風景とRWBを組み合わせたフォトシューティング

など、クルマ単体ではなく“世界観”ごと楽しむスタイルが確立している点は、単なるチューニングカーを超えた魅力と言えます。

コレクターズアイテムとしての希少性がある

RWBは、Nakai氏自身が世界中を飛び回りながら1台ずつ製作していくため、年間の製作台数には限りがあります。ビルド待ちのウェイティングリストは数年規模とも言われ、完成した個体は国や地域のカーカルチャーを象徴する存在として扱われることも多いです。(Yokogao Magazine)

中古市場でも、RWB仕様の911はノーマル車よりも高値で取引される例があり、「特定のコレクターに刺さる資産」としての側面も無視できません。もちろん市場は変動しますが、「Nakai氏が手を入れたクルマ」というストーリー性がある以上、その希少価値は簡単には失われないと考えられます。(forums.pelicanparts.com)

世界がRWBを評価する3つの理由

ポルシェ・RWBのイメージ
(出典:闘志エンジン)

日本発の独自ブランドとして確固たる地位を築いた

RWBは、千葉のローカルチューナーからスタートし、現在ではヨーロッパ、北米、アジア各国にパートナーとファンを持つグローバルブランドへと成長しました。(RWB)各国で行われるビルドイベントには、オーナーだけでなく多くの見学者やメディアが集まり、その様子がYouTubeやSNSを通じて世界中に拡散されています。Japanese Tuningの文脈で見れば、RWBはLiberty WalkやRocket Bunnyと並ぶ「日本発スタイル」の代表格であり、独自ブランドとしての地位はすでに確立されたと言ってよいでしょう。(speedhunters.com)

伝統と革新の融合による絶妙なバランス

RWBが扱うのは、主に空冷世代の911という「伝統」の塊です。一方で、そのボディを大胆にカットし、現代的なワイドボディとスタンスを与えるという行為は、まさに「革新」です。この“伝統×革新”の組み合わせが、多くのカーマニアの心をくすぐるポイントになっています。(RWB)

  • 空冷フラットシックスが奏でるクラシカルなサウンド
  • 1970〜90年代の911らしいシルエット
  • そこに乗る極太タイヤとレーシーなエアロ

というミックスは、「もし当時のレーシングチームが今もストリートで遊んでいたら?」という架空の歴史を見ているようでもあります。

サーキット走行も可能な高性能な仕上がり

RWBは、ショーカー的な見た目とは裏腹に、実際にサーキットを走らせている個体も多く存在します。日本国内の草レースやタイムアタックイベントに姿を見せるほか、海外でもトラックデイに持ち込まれるRWBが報告されています。(Top Gear)もちろん、ビルドによってエンジンや足回りのチューニング内容は千差万別ですが、少なくとも「走れない見せカー」ではなく、「走ってナンボ」という思想が根底にあります。そのギャップが、RWBを単なるファッションブランドではなく、「走れるアート」として評価させている要因と言えるでしょう。

カスタム依頼前に知っておくべき4つの注意点

ポルシェ・RWBのイメージ
(出典:闘志エンジン)

数百万円単位の高額費用がかかる

RWBのボディキットは、おおよそ2万4,000〜3万ドル程度からと言われ、サスペンションやホイール、塗装、内装などを含めると、トータルで10万ドル(約1,500万円)クラスに達するケースもあります。(rwb.jp)

そこにベース車両となる911の購入費、輸送費、各種整備費用が加わるため、日本円ベースでは「家が一軒買えるレベル」の投資になることも珍しくありません。RWBを検討する際は、「カスタム費用が車両価格を大きく上回る」ことを前提に、総予算をシビアに見積もる必要があります。

創設者本人が1台ずつ魂を込めて製作する

RWBビルド最大の特徴は、Akira Nakai氏本人が現地に赴き、その場でボディをカットし、フェンダーをフィッティングしていくスタイルにあります。(Motor1.com)

  • ボディカットもフィッティングも基本は“目測”
  • 一日中ガレージにこもり、ほぼ泊まり込みで作業
  • 完成した瞬間にガレージ前でテストラン

というライブ感は、オーナーにとって何物にも代えがたい体験です。その一方で、待ち時間が長かったり、スケジュール変更が起こったりと、“職人仕事”ならではの不確定要素も受け入れる覚悟が必要です。

カスタム後は市場価値が大きく向上することもある

RWB仕様の911は、オークションや中古車マーケットで高値を付ける例が多数報告されています。海外フォーラムでは、RWB 964が14万〜21万5,000ドル程度で取引されているとの情報もあり、純正個体を大きく上回るプライスが付くケースも見られます。(forums.pelicanparts.com)

もっとも、市場は好みとトレンドに左右されるため、必ずしも投資目的で勧められるものではありません。ただ、「価値がゼロになるどころか、むしろ一部のコレクターにはプレミアが乗る可能性がある」という点は、検討材料として知っておいてよいでしょう。

世界中の愛好家から注目される覚悟が必要

RWBポルシェは、街を走ればほぼ確実に視線を浴びるレベルの存在感があります。イベント会場では、撮影の列ができることも珍しくなく、SNSには所有者が知らないところで撮られた写真が大量にアップされることもあります。(RWB)

  • ガソリンスタンドで声をかけられる
  • 見知らぬ人から「写真を撮らせて」と頼まれる
  • 海外メディアやインフルエンサーに紹介される

といった“副作用”も含めて楽しめるかどうかは、オーナーの性格次第です。「目立ちたくないけれどRWBには乗りたい」という人にとっては、ある意味で最もハードルの高いポイントかもしれません。

RWBポルシェの本質を理解するための3つの考え方

ポルシェ・RWBのイメージ
(出典:闘志エンジン)

クラシックカーに新たな命を吹き込む革新性

RWBは、経年でヤレてしまった空冷911に対し、単なるレストアではなく「第二の人生」を与えるアプローチとも言えます。ベース車両には、既に塗装が傷んでいたり、事故歴があったりする個体も少なくなく、それらを大胆にモディファイすることで、オーナーが再び情熱を注げる存在へと生まれ変わらせているのです。(sakuramotors.pl)

クラシックカーを「オリジナルのまま保存する」のも一つの愛し方ですが、「時代に合わせてアップデートし、実際に乗って楽しむ」という愛し方も同じくらい尊い──RWBは、その価値観を体現しているとも解釈できます。

現代アートとしての側面から見る価値

RWBを「チューニング」や「ドレスアップ」の枠だけで語ろうとすると、「やり過ぎか否か」という議論から抜け出せません。しかし、美術の文脈で見れば、「既存の名作に手を加え、新しい意味を与える」という手法は、現代アートではごく一般的です。(RWB)

RWBもまた、

  • Porsche 911という“キャンバス”に対する再解釈
  • ストリートカルチャーとモータースポーツの融合
  • オーナーとビルダーによる共同制作

という点で、アートプロジェクトとして読み解くことができます。この視点に立つと、「好き嫌い」はあっても、「ダサい」という単純な評価では捉えきれない奥行きが見えてきます。

好き嫌いを超えた「文化現象」としての存在感

最後に、RWBはすでに一個人や一ブランドの枠を超え、「カルチャー」と呼べる段階に入っています。世界各地で行われるビルドイベントやミーティング、RWBをテーマにした映像作品や写真集、さらにはミニカーやイラストなど、周辺コンテンツも非常に豊富です。(RWB)

RWBをどう評価するかは人それぞれですが、

  • 「ポルシェとは何か」
  • 「クルマの価値とは何か」
  • 「カスタムはどこまで許されるのか」

といった議論を世界規模で巻き起こしたという意味で、その存在は自動車文化の一つのマイルストーンになっています。「ダサい」と切り捨てる前に、一度その背景にあるストーリーや哲学に触れてみると、RWBポルシェの見え方はきっと大きく変わってくるはずです。

最後に

ポルシェ・RWBのイメージ
(出典:闘志エンジン)

RWB Porscheは、クラシック911のオリジナル性を大きく書き換えるがゆえに、「ダサい」「もったいない」と批判されるのは避けられません。しかしその一方で、オーナーとビルダーの物語を乗せた一点物のアートであり、クルマ文化の可能性を広げる挑戦でもあります。RWBをどう評価するかは人それぞれですが、「良い/悪い」「好き/嫌い」だけでなく、その背景にある思想や歴史に目を向けることで、自動車とカスタムの本質について、あらためて考えるきっかけになるはずです。

要点

  • RWB Porscheは、過激なワイドボディやリベットフェンダー、クラシック911の大胆な加工ゆえに「ポルシェらしさを壊す」と見なされ、「ダサい」と批判されやすい存在です。
  • 一方で、世界に1台だけのカスタム性やAkira Nakai氏の哲学、走行性能の向上、アート作品としての評価などにより、世界中で高く支持されるカルチャーアイコンにもなっています。
  • 高額な費用や長い待ち時間、圧倒的な注目を集める覚悟が必要ですが、クラシックカーに第二の人生を与える「文化現象」としてRWBを理解すると、その価値は「好き嫌い」を超えたものとして見えてきます。

参考文献

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