BMW i8の中古価格が安いのはなぜ?買う前に気をつけるポイントとは?

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未来的なデザインとCFRP構造、PHEVパワートレーンで注目を集めたBMW i8。しかし中古市場では「予想より安い」という声が目立ちます。本記事では相場が下がりやすい理由を整理し、購入前に確認すべき要点と、どんなユーザーに向くのかを、市場動向を踏まえて分かりやすく解説します。

BMW i8とはどんな車なのか?

BMW i8の基本スペック

BMW i8は、後輪を1.5L直3ターボ、前輪をモーターで駆動するプラグインハイブリッドの4WDスポーツです。2018年の改良でシステム最高出力は275kW(374ps)に向上し、0-100km/hはクーペで4.4秒という俊足を誇ります。バッテリーは当初約7.1kWhから後期は11.6kWhへ拡大し、電動走行の実用性が高まりました。構造面ではCFRP製“ライフモジュール”とアルミ製“ドライブモジュール”を分離した独自のLifeDriveアーキテクチャを採用し、軽量と剛性を両立しています。(BMW Group PressClub, MotorTrend)

新車時の価格とポジション

日本での新車価格は登場期で約1,900万円台〜2,100万円台、最終限定「Ultimate Sophisto Edition」ではクーペ2312万円・ロードスター2453万円という設定でした。ブランドの電動フラッグシップとして、先進素材とデザインを訴求する“ハローカー”の役割を担ったモデルです。(car.motor-fan.jp, 価格.com, BMW Group PressClub)

スポーツカーとしての特徴

電動トルクの“瞬発力”と小排気量ターボの“伸び”を組み合わせた加速フィールは独特で、街中では静粛・郊外では爽快という二面性が魅力です。ディヘドラルドアや2+2パッケージ(ロードスターは2座)などの非日常性も所有満足を高めます。一方、荷室や後席の実用は限定的で、走りの快適性と見た目のドラマ性を両立させる“グランドツーリング寄りのスポーツ”という立ち位置に落ち着きます。(BMW Group PressClub)

BMW i8の中古価格が安い理由

BMW・i8のイメージ(出典:当サイト)

生産終了による影響

2020年6月で生産が終了し、新車での供給が止まったことで初期の希少感は一巡しました。モデルライフの完了は一般に残価を下押ししますし、i4やiXなど次世代BEVの登場で「最新の電動BMWを選ぶ」動機が分散したことも相場を冷やす方向に働きました。生産終了は事実として、残価圧力の一因と捉えるのが妥当です。(BMW Group PressClub)

バッテリーの劣化リスク

前期7.1kWh、後期11.6kWhという比較的“小容量”のPHEVバッテリーは、年式・走行・充電履歴次第で劣化度合いがばらつきます。将来の交換・修理への不安が買い手の心理的ディスカウントにつながりやすく、結果として価格が抑えられがちです(技術仕様は公知、ただし実際の劣化は個体差)。(MotorTrend)

維持費や修理費の高さ

CFRPボディの板金・脱着、独自の冷却/電装系などで、修理は専門性と工賃が高くなる傾向です。海外の見積もり例では高電圧バッテリー交換が数千〜1万数千ドル規模、HV関連のコンプレッサー交換で高額になった事例報告も見られます。こうした“もしも”の費用感は中古価格の下押し要因です。(RepairPal.com, bmwi.bimmerpost.com, Reddit)

人気・需要の低下

電動スポーツの主流が高性能BEVへシフトし、航続や充電性能で最新BEVに見劣りする場面も出てきました。デザインの鮮烈さは色あせない一方で、スペック競争の最前線から外れたことが、中古市場での相対的な人気低下→価格軟化につながっています。相場感としては国内ポータルでも700万〜1,400万円台の在庫が並び、平均800万円台というデータが見受けられます(執筆時点の掲載情報)。(Goo-net Exchange, carsensor)

BMW i8を購入する際の注意点

BMW・i8のイメージ(出典:当サイト)

バッテリーの状態確認

現車確認では、ディーラーでの診断履歴(SoH=State of Health)や充電サイクル、HV冷却系の作動音・エラー履歴を重視したいところです。短距離・こまめ充電が多い個体は劣化が進みやすいケースもあるため、試乗時にEVモードの出力低下や警告灯の有無を丁寧にチェックしましょう。仕様上の電池容量と年式の対応も確認しておくと安心です(2018年改良で容量拡大)。(MotorTrend)

  • 確認したい書類:点検記録簿/診断レポート(HV系・12V系)/保証継承の可否
  • 試乗チェック:EV走行の出力感、回生ブレーキの違和感、HV冷却ファンやコンプレッサーの異音
  • 充電環境:自宅200Vの有無、急速充電の履歴・割合

修理や部品交換のコスト

CFRP外板や専用部品は都度取り寄せ・高度な作業が必要で、軽微な接触でも高額化しがちです。参考までに海外のリペア見積もりでは、HVバッテリー交換で部品・工賃合計が数千〜1万数千ドル級という報告が散見されます。消耗品では20インチタイヤやブレーキ周りもそれなりの出費となるため、購入費だけでなく年あたりの維持予算を見積もっておくと現実的です。(RepairPal.com, bmwi.bimmerpost.com)

BMW i8をおすすめできる人とは?

BMW・i8のイメージ(出典:当サイト)

デザイン性を重視する人

未来感に満ちたスタイリングとディヘドラルドア、CFRPの先進構造は、今見ても強い所有体験をもたらします。“最速至上主義”ではなく“走り×デザイン×電動の先駆性”を味わいたい人に最適です。ロードスターは2座、クーペは2+2というパッケージの違いも、用途に合わせて選ぶ楽しさがあります。(BMW Group PressClub)

限定的な使用を考えている人

長距離を日常的に走る“主戦力”よりも、週末のドライブや短〜中距離のお出かけに割り切ると、静粛で滑らかな電動走行と十分な動力性能の“いいとこ取り”を堪能できます。ロードスターは後席を持たないため荷物・人の制約はありますが、開放感という価値で上回る場面も多いでしょう。(BMW Group PressClub)

相場の目安(参考)

国内ポータルの掲載情報では、在庫のレンジが概ね700万〜1,400万円台、平均で800万円台前後という傾向が確認できます。新車時の約1,900万〜2,300万円台から見ると“半値〜それ以下”の個体が多いことが、体感的な「安さ」の背景です(価格は時期・個体で変動)。(carsensor, Goo-net Exchange, car.motor-fan.jp, BMW Group PressClub)

最後に

BMW・i8のイメージ(出典:当サイト)

BMW i8は性能競争の最前線からは離れた一方で、唯一無二のデザイン体験と快適な電動走行を手に入れやすい価格帯に下りてきました。バッテリーや修理費の不確実性を把握し、用途を割り切れば、高い満足度で所有できる一台です。相場・整備履歴・保証を見極め、賢く選びましょう。

要点

  • 中古価格が安い主因は、生産終了による残価圧力、PHEVバッテリー劣化への不安、CFRPやHV系の修理・維持費の高さに加え、最新BEVへ需要が分散したためです。
  • 購入時はSoH(バッテリー健全度)や充電履歴、HV冷却系の作動、警告履歴を確認し、部品・工賃・消耗品の実費見積もりまで必ず押さえることが重要です。
  • おすすめできるのは、最高速志向よりデザイン体験と電動の滑らかさを重視し、週末中心など“限定的な用途”で割り切って楽しめるユーザーです。

参考文献

※上記は公開情報・掲載中データに基づく一般論です。購入検討時は最新の在庫・整備履歴・保証条件をご確認ください。

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