【国産の迷車3選】なぜこんな車を作ったのか?
自動車の歴史には数多くの名車が存在しますが、その中には一風変わった個性を持つ「迷車」も数多く存在します。これらの迷車は、そのユニークなデザインや独特の性能で一部のファンから愛される一方、一般的な評価としては賛否両論が巻き起こることも少なくありません。今回はそんな国産の迷車たちにスポットライトを当て、その魅力と特徴を紹介します。

オートザム・AZ-1
オートザム・AZ-1は、1992年から1995年にかけてマツダのサブブランド、オートザムから発売された軽自動車です。この車は、ガルウィングドアを採用した独特の外観で一世を風靡しました。

AZ-1の最大の特徴は、その大胆なデザインです。ガルウィングドアは、スーパーカーに採用されることが多いドア形式で、軽自動車にこの仕様を取り入れたこと自体が大きな話題となりました。全体のフォルムはコンパクトでありながらもスポーティで、街中でも一際目立つ存在でした。特に赤と青のツートンカラーは、見る者の目を引きます。

性能面では、AZ-1は660ccのターボエンジンを搭載し、最大出力64馬力を誇りました。この数値は軽自動車としては非常に高いもので、軽快な走りを実現しています。また、車重がわずか720kgと非常に軽いため、ハンドリングの良さと俊敏な加速が特徴です。車体の剛性も高く、スポーツ走行を楽しむことができる軽自動車として、当時の車好きから高く評価されました。

AZ-1は、その独創的なデザインと優れた走行性能で一部の愛好者には絶大な支持を受けましたが、一般的な評価は二分しました。理由としては、ガルウィングドアのために乗り降りがしづらいことや、価格が軽自動車としては高めであったことが挙げられます。それでも、現在ではその希少性からコレクターズアイテムとしての価値が高まり、中古市場でも高値で取引されています。
トヨタ・セラ
トヨタ・セラは、1990年から1995年にかけてトヨタから発売されたクーペ型の車です。この車もまた、そのユニークなデザインで注目を集めました。

セラの最大の特徴は、バタフライドアです。このドアは、ガラスエリアが広く、ドア全体が上方に持ち上がる形式で、開閉時の姿が非常に美しいため、バタフライドアと呼ばれています。また、車全体のデザインは滑らかでエアロダイナミクスを意識したフォルムを持ち、非常に未来的な印象を与えます。透明なルーフパネルも特徴的で、開放感のあるドライブが楽しめます。

性能面では、セラは1.5リットルの直列4気筒エンジンを搭載しており、110馬力を発揮します。このエンジンは、トヨタのエコカーとしても有名なスターレットGTと同じもので、経済性とパワーを両立させています。また、軽量なボディと相まって、街乗りでも高速走行でも安定したパフォーマンスを見せます。ハンドリングも良好で、運転する楽しさを提供します。

セラは、その独創的なデザインと実用的な性能で、多くのファンを獲得しました。しかし、バタフライドアは実際の使用においては少々不便であり、特に駐車スペースが狭い場所では開閉が困難でした。また、デザインが斬新すぎたため、一部のユーザーには受け入れられないこともありました。それでも、その個性的なスタイルとトヨタの信頼性から、現在でも愛好者が多く、カルト的な人気を誇っています。
スズキ・X-90
スズキ・X-90は、1995年から1997年にかけてスズキから発売されたSUV型の車です。この車は、他のSUVとは一線を画すデザインで、一部では「奇抜すぎる」との声も上がりました。

X-90の外観は、他のどの車とも異なるユニークなデザインが特徴です。2ドアクーペスタイルのSUVでありながら、取り外し可能なTバールーフを持つという斬新な仕様でした。丸みを帯びたボディと大きなヘッドライトは、どこか愛嬌のあるデザインで、一目見ただけで記憶に残る個性的なルックスを持っています。

性能面では、X-90は1.6リットルの直列4気筒エンジンを搭載し、95馬力を発揮しました。このエンジンは、街乗りから軽いオフロードまで幅広く対応できる性能を持ちます。また、フルタイム4WDシステムを採用しており、安定した走行を実現しています。ただし、車重が重いため加速性能はやや鈍く、高速走行時の安定性も限定的です。

X-90は、その独特のデザインとコンセプトで一部のファンを魅了しましたが、一般的には「奇抜すぎる」との評価が多かったです。特に実用性の面で、2人乗りのSUVというのは市場のニーズに合わず、販売台数も伸び悩みました。しかし、そのユニークさゆえに、現在では希少価値が高まり、コレクターの間では人気が再燃しています。
まとめ
国産の迷車たち、オートザム・AZ-1、トヨタ・セラ、スズキ・X-90はそれぞれが独特のデザインと個性を持つ車です。見た目、性能、評価の各観点から見ると、それぞれに異なる魅力と課題が存在します。これらの車は、一般的な評価としては「迷車」として扱われることが多いですが、その独創性と個性は、他のどの車とも一線を画すものです。車好きであれば、一度は乗ってみたいと思わせる魅力が詰まっています。これらの迷車を通じて、自動車の多様性とデザインの自由さを再認識する機会としてみてください。
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