日産・フェアレディZ Z34型の魅力を再発見する

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フェアレディZ Z34は3.7L自然吸気V6とFRレイアウトを核に、いま乗っても色あせない“王道スポーツ”の気持ちよさを味わえる一台です。最新の速さとは別の、回して、操って、音で昂る魅力が詰まっています。本記事ではZの系譜における立ち位置から、VQ37VHRの走り、デザイン、選び方まで、Z34の価値を改めて掘り下げます。

目次
  1. Z34型とは何者か──Zの系譜と立ち位置
  2. VQ37VHRが生む走りの中毒性
  3. デザインとパッケージング──日常に溶けるスポーツカー
  4. グレード&特別仕様の楽しみ方(NISMOも含めて)
  5. 中古でZ34を狙うなら:失敗しないチェック項目
  6. いまZ34を選ぶ価値──“NA・FR・2シーター”の希少性
  7. 最後に

Z34型とは何者か──Zの系譜と立ち位置

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

日産・フェアレディZの歴史におけるZ34の役割

Z34は、いわば“現代スポーツカーの要件”を一度きれいに整理し直したフェアレディZです。エンジンは3.696LのVQ37VHR、駆動方式はFR、トランスミッションは6速MTまたは7速AT(7M-ATx)という、Zの王道フォーミュラを真正面から貫いています。主要装備一覧(主要諸元)でも、VQ37VHRと6MT/7ATが並列で示されており、Z34の核が「走りの選択肢を残したスポーツカー」であることが読み取れます。

そしてもう1つ、Z34の“役割”として大きいのが、MTの楽しさを現代に接続した点です。6速MTには、シフトダウン時の回転合わせを自動で行う「シンクロレブコントロール」が採用され、日産は“世界で初めて6速MTに搭載”と説明しています。 (日産自動車グローバルサイト)ここがZ34の面白いところで、運転の上手さを誇示するための装置ではなく、運転の集中力を「ライン取り」「ブレーキ」「荷重移動」に振り向けるための装置として機能します。スポーツカーの入口を広げつつ、奥の深さも削らない。その思想がZ34を“単なる古いスポーツカー”にしない理由だと考えています。

Z33からZ34で何が変わったのか

Z33からZ34への変化を、体感に直結する数字で語るなら「ホイールベース」です。Z33はホイールベース2,650mm(350Zのオーナーズマニュアルの諸元で確認できます) (Nissan USA) 、一方Z34は2,550mmです。差は100mm。たった10cmですが、スポーツカーでは“曲がり方の性格”が変わるだけの意味を持ちます。一般にホイールベースが短いほど回頭性は鋭くなり、荷重移動のリズムも速く感じやすいです。Z34が「ロングノーズのGT」だけでなく「意外とクイックに向きを変えるFR」として評価される背景には、この設計上の割り切りがあると見ています(もちろん、最終的な印象はタイヤやアライメント、車両状態にも左右されます)。

後継「フェアレディZ RZ34」と比較して見える“Z34らしさ”

RZ34はVR30DDTT(3.0Lツインターボ)で、最高出力298kW(405PS)/最大トルク475N・mと日産が明示しています。 (日産自動車) さらに6MTと9M-ATxの両方にローンチコントロールを備えるなど、加速とトラクションを“現代的に管理する速さ”が特徴です。 (日産)それに対してZ34のらしさは、NAの回転上昇と、アクセル開度がそのまま手触りとして返ってくる素直さにあります。日産のZ34向け開発者コメントでも、VQ37VHRを「踏めば踏んだだけのパワーが出る感覚」を狙って造り込んだ、と語られています。 (日産)

  • Z34は「NA×FR×MT(または7AT)」を、無理にデジタル化せずに成立させた世代です。
  • RZ34は「強トルク過給×電子制御×9速AT/6MT」で、速さの作り方が一段モダンです。 (日産自動車)

この“速さの作法”の違いこそ、Z34が今も指名買いされる理由だと思います。

VQ37VHRが生む走りの中毒性

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

3.7L NA「VQ37VHR」のフィーリングと音の魅力

VQ37VHRは3.696LのV6自然吸気で、標準系で最高出力247kW(336PS)/7,000rpm、最大トルク365N・m/5,200rpmという諸元が日産の資料に整理されています。ただ、Z34の“中毒性”はスペック表よりも「回していくと気持ちよさが増える」性格にあります。過給エンジンが低回転からトルクで押し出すのに対して、NAは回転とともに呼吸が変わり、ドライバーが“開け方”をデザインできます。Z34はその感覚を狙って造り込んだ、と日産自身がフィーリング面を重視して説明しているのが印象的です。 (日産)

また、NAは「音」が走りの情報になります。回転が上がるほどサウンドの密度が増し、シフトタイミングを耳で決められる。これは、速さそのものより“運転の実感”に効く要素です。だからこそZ34は、サーキット専用車ではなくても、ワインディングや高速の合流など短い時間でドライバーの気分を上げてくれます。

6MTと7AT、それぞれのキャラクターと選び方

Z34のトランスミッションは6MTと、マニュアルモード付き7速AT(7M-ATx)が用意されます。MT党が注目すべきは、やはりシンクロレブコントロールです。日産は6速MTへの世界初搭載として紹介しており、シフトダウンの回転合わせを自動化します。 (日産自動車グローバルサイト) これにより、ヒール&トゥの練習に時間を割かなくても“減速→ターンイン”の流れが途切れにくくなります。結果として、運転が上手く見えるのではなく、運転に集中できて上達が早い、という方向に効くのがポイントです。

一方7ATは、スポーツカーに日常性を与える選択肢です。渋滞や街中で左足を休ませつつ、踏む場面ではマニュアルモードで“自分のリズム”も作れる。Z34は「毎日乗れるスポーツカー」を狙った世代でもあるので、ATが“妥協”ではなく“用途に合うグレード”として成立します。

FR+ロングノーズのバランスがもたらす操る楽しさ

Z34の寸法(クーペ)は全長4,260mm、ホイールベース2,550mm、最小回転半径5.0〜5.2m(仕様による)といった数値がまとまっており、取り回しも過度に巨大ではありません。ここで効いてくるのが、ロングノーズに対してホイールベースを詰めたパッケージです。鼻先の“見え方”はGT的なのに、曲がり始めると意外なほど軽快。ドライバーは、フロントに荷重を乗せて曲げるのか、リアのトラクションで立ち上がるのか、1台で複数の走らせ方を選べます。Z34が「万能に楽しめる」と言われるのは、エンジンやミッションだけでなく、こうした“操り方の選択肢”が多いからだと考えています。

デザインとパッケージング──日常に溶けるスポーツカー

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

Z34のエクステリア:凝縮感とワイド&ローの美学

Z34の外観は、ひと言でいえば「凝縮」です。全長4,260mmに対して全幅1,845mm、全高1,315mmというワイド&ローの比率が、視覚的な踏ん張りを作ります。ただし、ただワイドなだけではなく、ロングノーズと短いキャビンが“Zらしいシルエット”を保っています。Z34はレトロ回帰の強いRZ34と比べると、よりモダンで無駄のないラインが中心です。だからこそ、街に置いたときに「いかにも旧車」ではなく「いま見ても古くないスポーツカー」として成立します。スポーツカーは主張が強すぎると日常から浮きますが、Z34は“強いのに馴染む”という、少し不思議なバランスを持っています。

2シーターのコクピット:低い着座位置と一体感

室内寸法は長990mm・幅1,495mm・高1,090mm(クーペ)というデータが示す通り、広さよりも“囲まれ感”を優先した空間です。このパッケージの良さは、運転操作が情報として返ってくる近さにあります。ステアリング、シフト、ペダルの距離がスポーツカー的にまとまっていると、操作の失敗がすぐ分かる。つまり、うまく走らせたときの成功体験も濃くなります。Z34は、速さ以上に「操作している自分が上達していく感覚」を味わいやすいコクピットだと思います。

実用性のリアル:荷室、視界、取り回しのポイント

2シーターのスポーツカーであっても、現実には買い物や旅行に使う人が多いです。その意味で、Z34は“日常に持ち込める範囲で”実用性を確保しています。たとえば最小回転半径は仕様により5.0〜5.2mで、極端に切れないクルマではありません。一方で、後方視界や乗り降りは、スポーツカーとして相応の割り切りがあります。だからこそ、Z34と上手く付き合うコツは「日常のしんどさを、走りのご褒美で回収できるか」です。RZ34のように先進装備で楽にする方向性とは別に、Z34は“少し手間がある代わりに、運転の手触りが濃い”という価値で成立します。

  • 日常で効くチェックは「最小回転半径(仕様差)」「着座位置と視界の慣れ」「駐車環境(幅1,845mm)」の3点です。

グレード&特別仕様の楽しみ方(NISMOも含めて)

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

「Version S/Version ST」など主要グレードの違い

Z34にはVersion ST/Version S/Version Tに加え、フェアレディZ NISMOが設定されてきました(年式で構成や装備は変化します)。日産の主要装備一覧でも、これらのグレード名が並んで整理されています。ここで大切なのは、「グレードの序列」を作って考えないことです。スポーツカーのグレード差は、速さの差というより“使い方の差”として設計されることが多いからです。たとえば、MTかATかだけでもクルマの性格は大きく変わりますし、同じZ34でもタイヤサイズや装備で最小回転半径まで変わります。

したがって中古車で選ぶなら、憧れのグレード名から入るより、先に「自分がどの時間をZに任せたいか(通勤/週末ワインディング/旅行/サーキット)」を決め、その用途に合う個体を探すのが成功しやすいです。

「フェアレディZ NISMO(Z34)」の魅力と注意点

日産・フェアレディZ Z34型(ニスモ)のイメージ
(出典:闘志エンジン)

Z34 NISMOは、エンジンや足まわり、ボディ補強まで“走りの輪郭”をはっきりさせた仕様です。日産のNISMO紹介ページでは、専用ECMセッティングなどで最高出力261kW(355PS)を実現し、高回転まで伸びる加速感を狙ったと説明されています。 (日産)さらにRAYS製の鍛造ホイール、ダンロップタイヤをベースにしたチューニング、サスペンション取付部強化など、部品単体ではなく“車体全体の整え方”が語られているのがポイントです。 (日産)
注意点としては、NISMOは「常に正しい」わけではないことです。乗り味やタイヤ代など、日常コストの面で好みが分かれます。だからこそ、NISMOはスペックで決めるより「自分が欲しいのは“より速いZ”なのか、“より濃いZ”なのか」を考えて選ぶと後悔が減ります。

純正オプション&人気カスタムの定番(ホイール/マフラー等)

Z34はカスタムの懐が深いクルマですが、ハルミネーションを避けて言える普遍的な結論は1つです。カスタムは“速さ”より“気持ちよさ”を増幅しやすい、ということです。NAのVQ37VHRは、アクセル開度と回転が気持ちよさに直結するので、マフラーや吸排気の方向性が「走り方」に影響します(ただし車検適合や近隣環境への配慮は前提です)。

そして中古車市場では、カスタム済み個体は魅力的に見える一方で、仕様の把握が難しくなることもあります。購入時は、主要装備一覧(該当年式)に照らし合わせて“純正状態”を把握し、そこからの変更点を整理するのが安全です。

中古でZ34を狙うなら:失敗しないチェック項目

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

年式・走行距離より効く“個体差”の見極めポイント

Z34は長く愛されてきた分、同じ型式でも“前オーナーの使い方”で別のクルマに感じることがあります。ここで言う個体差は、故障の当たり外れというより「どう乗られてきたか」「どう手が入っているか」の差です。したがって、年式や走行距離を絶対視するより、次の順番で確かめるのが合理的です。

  • 修復歴・事故歴の有無(骨格に関わる情報を最優先)
  • 仕様の一致(グレード、ミッション、タイヤサイズ等。最小回転半径が仕様で変わる点も含む)
  • 改造の内容と整合(車検対応、純正部品の有無、作業記録)

特にスポーツカーは「走って気持ちよくする」目的で手が入るため、改造=悪ではありません。ただ、情報が揃っている個体ほどリスクが下がるのも事実です。

メンテ履歴で差が出る箇所(油脂類、ブレーキ、冷却系など)

ここは特定車種の弱点を断定せず、スポーツカー一般としての考え方でまとめます。Z34のように高回転まで使う設計のNAエンジンは、油脂類の管理がコンディションに直結します。また、ブレーキやタイヤは走りの安全に関わるため「交換してあること」より「どういう使い方で減ったのか」を読み取るのが大切です。理想は、点検記録簿や整備明細が揃い、消耗品交換のタイミングが説明できる個体です。逆に、見た目が綺麗でも履歴が追えない個体は、購入後に“自分で基準を作り直すコスト”が発生しやすいです。

維持費の目安と、長く楽しむための付き合い方

維持費は使い方で大きく変わるため、ここで金額を断定するとハルミネーションになりやすいです。代わりに、長く楽しむための現実的な考え方を提示します。Z34は、主要諸元上も無鉛プレミアムガソリン指定(入手できない場合レギュラーも可だが出力低下等の可能性)と明記されています。 つまり燃料からして“スポーツカーの維持”が前提です。だからこそ、購入時点で「維持に回せる余力」を残しておくと、結果的にZ34が楽しいままでいてくれます。

おすすめは、納車後に一度“基準点検”を行い、油脂類や消耗品の状態を自分の基準で揃えることです。そこから先は、Z34の良さ(NAの気持ちよさ、操作の手触り)を、安心して味わえるようになります。

いまZ34を選ぶ価値──“NA・FR・2シーター”の希少性

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

現代では貴重な「NAスポーツ」としての存在感

Z34の価値は、古いから上がるという話だけではありません。Z34は、日産の資料上もVQ37VHRの3.696L自然吸気で、336PS(標準系)という“回して味わう”エンジンを核にしています。一方、現行のRZ34はVR30DDTTツインターボで405PS/475N・mと、過給ならではの高トルクを武器にしています。 (日産自動車)

どちらが優れているかではなく、速さの得方が違うのです。Z34は、ドライバーが回転を作り、音と振動と加速の“つながり”を操るタイプ。ここに価値を感じる人にとって、Z34は今でも代替が見つけにくい一台です。

走り・見た目・所有感のバランスが取れた一台

Z34は、サイズが過度に大きくなく(全幅1,845mm、ホイールベース2,550mm)、スポーツカーとしての取り回し現実もあります。そして6MTにはシンクロレブコントロールという“楽しさの増幅装置”があり、運転のハードルを下げながら、走りの密度を上げています。 (日産自動車グローバルサイト)

さらにNISMOという、メーカーが思想ごと提示した完成形も存在し、出力やボディ補強、足まわりの方向性が明確です。 (日産)この「標準で十分楽しい」「尖らせたければメーカー流の正解もある」という二段構えが、Z34の所有満足度を底上げしていると感じます。

こんな人に刺さる:Z34がハマるオーナー像

Z34がハマる人は、速さの数値より“運転している時間の濃さ”を大事にする人です。最後に、刺さりやすいタイプを整理します。

  • ターボの太さより、NAの回転上昇とサウンドを味わいたい人(VQ37VHRの素直さを楽しめる) (日産)
  • MTの操作感は欲しいが、回転合わせの難しさで敬遠してきた人(シンクロレブコントロールが“集中すべき場所”を作ってくれる) (日産自動車グローバルサイト)
  • 新しすぎる電子制御より、機械感と現代装備の“ちょうど真ん中”を求める人

Z34は、RZ34のような最新の速さを目指すというより、「運転が好き」という気持ちを日常の中で守ってくれるスポーツカーです。だからこそ、今あらためて“ちょうどいいZ”として見直す価値があると思います。

最後に

日産・フェアレディZ Z34型のイメージ
(出典:闘志エンジン)

フェアレディZ Z34は、VQ37VHRの自然吸気らしい伸びとサウンド、FRの素直な操る楽しさを“現代の道具立て”で味わえるスポーツカーです。凝縮感あるデザインと、用途で選べるグレード展開も強み。RZ34と比べてアナログな手触りが濃く、中古は履歴と状態重視で選べば長く楽しめます。

要点

  • フェアレディZ Z34は、VQ37VHR(3.7L NA)×FRの素直なフィーリングと、回して味わうサウンドが魅力の“運転が濃い”スポーツカーです。
  • Z33からの進化点(パッケージや走りの性格)に加え、後継RZ34(ターボ)と比べることで、Z34の「アナログな手触り」「踏んだ分だけ返る反応」の価値が際立ちます。
  • 中古で失敗しない鍵は年式・走行距離より個体状態と整備履歴。用途に合うグレード(NISMO含む)を選び、維持前提でコンディションを整えると満足度が上がります。

参考文献

  • 日産:フェアレディZ(Z34)主要装備一覧/主要諸元(PDF)
  • 日産:シンクロレブコントロール付6速マニュアルトランスミッション(技術ライブラリー) (日産自動車グローバルサイト)
  • 日産:Z34 走行性能(開発者コメント掲載ページ) (日産)
    日産:Z34 NISMO 仕様紹介 (日産)
  • 日産:フェアレディZ(RZ34)走行性能/主要装備一覧・環境情報 (日産自動車)
  • Nissan(北米):350Z オーナーズマニュアル(ホイールベース諸元の確認) (Nissan USA)

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