日産R35型GT-Rを普段使いする時に知っておくべきこと

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日産R35型GT-Rといえば、2007年のデビュー以来、日産が世界に誇るスーパースポーツカーとして君臨し続けてきたモデルです。3.8リッターV6ツインターボエンジンにより、圧倒的な加速力とAWDによる高い走行安定性を実現し、富士スピードウェイやニュルブルクリンクといったサーキットで数々の記録を打ち立ててきました。しかし、そんなハイスペックマシンを「普段使い」するというのは、一見すると現実離れしているように思えるかもしれません。実際、GT-Rを所有する人の中にも「週末だけ乗る」「ガレージ保管で観賞用」というスタンスを取るオーナーも少なくありません。ですが、実際にはGT-Rの設計には「日常性」も意識されており、意外にも日常の通勤や買い物といった用途にもある程度対応できるように造られています。とはいえ、やはりスーパースポーツとしての特性を持つがゆえの「使いにくさ」や「維持コストの高さ」など、気をつけるべきポイントも存在します。本記事では、R35型GT-Rを日常の足として使用するにあたり、知っておくべき実用性と課題点、さらにコストに関する情報を詳しく解説します。
R35型GT-Rの意外な実用性

R35 GT-Rと聞くと、硬派な走りに特化したスポーツカーというイメージが強く、「普段使いには不向きなのでは」と考えられがちです。ですが、実は設計段階から「誰もが扱えるスーパーカー」というコンセプトが掲げられており、日常的な使い勝手に配慮された部分も多く見受けられます。
乗降性
まず、乗降性についてですが、スーパーカーにありがちな極端に低い車高ではないため、乗り降りは比較的スムーズです。ドア開口部も広く、腰を大きく沈めずに乗車できる点は、日々の通勤や買い物でもストレスになりにくいでしょう。
インテリア
また、インテリアも注目です。R35は高性能車でありながらも、ナビゲーションシステム、ETC、シートヒーター付きのレザーシートなど、快適装備が充実しており、長距離ドライブにも十分対応できます。ラゲッジスペースもトランク容量が十分確保されており、旅行用のキャリーケースやゴルフバッグ程度なら難なく収納可能です。これは他のスーパースポーツカーにはなかなかない実用性の高さと言えるでしょう。
電子制御システムの進化
電子制御の進化により、GT-Rは渋滞時や雨天時でも扱いやすいという特徴があります。アテーサE-TSによるトルク配分や、ドライブモードの切り替え機能(Rモード/ノーマル/コンフォート)により、ドライバーは路面状況に応じて最適な走行モードを選択することが可能です。つまり、R35 GT-Rはその圧倒的なパフォーマンスの裏に、意外なほどの「日常性能」を秘めており、スポーツカーでありながらも日々のライフスタイルに組み込むことが現実的に可能な一台なのです。
R35型GT-Rの課題点

R35 GT-Rには確かに日常使いを想定した実用的な側面がありますが、スーパースポーツカーならではの「課題点」も明確に存在します。普段使いする際には、このあたりを理解し、受け入れる心構えが必要です。
車体の大きさ
まず最初に挙げられるのが「車体サイズと取り回し」です。R35は全幅1,895mmというワイドボディを持っており、都市部の狭い道や立体駐車場では苦労する場面もあります。特に縁石や段差では、低めのフロントバンパーを擦ってしまうリスクがあり、慎重な運転が求められます。コンビニの駐車場一つ取っても、車幅を気にしながら停めなければならず、気軽に「ちょっと寄る」といった感覚では扱いにくいのが正直なところです。
乗り心地
次に「乗り心地の硬さ」も課題の一つです。R35はハイパフォーマンスカーとしてのキャラクターを持つため、サスペンションは引き締まった設定になっており、路面の凹凸をダイレクトに拾います。とくに荒れた舗装路や段差が多い市街地では、その硬さがストレスになる場面もあります。とはいえ、年式やグレードによっては電子制御ダンパーの調整で多少快適性を高めることも可能ですが、根本的な設計として快適性よりも性能を優先している点は否めません。
視界の狭さ
さらに「視界の狭さ」も見逃せないポイントです。特に後方視界はリアウィンドウが小さく、斜め後ろの視認性も限定的です。バックカメラやセンサーの装備があるとはいえ、慣れないうちは車両感覚を掴みにくく、取り回しには注意が必要です。
周囲の目線
最後に、「周囲の目線」も普段使いに影響する意外な要素です。R35 GT-Rは外観のインパクトが強いため、街中を走っているとどうしても目立ちます。これは「見られていることに慣れていない」人にとっては意外な負担になるかもしれません。このように、R35型GT-Rは確かに日常性も備えたスーパーカーではありますが、車体サイズ、乗り心地、視界、そして存在感といった面で、一定の慣れや妥協を必要とするクルマであることもまた事実です。
R35型GT-Rを普段使いする時のコスト

R35 GT-Rを日常的に使用する上で、最も現実的な障壁となるのが「維持コストの高さ」です。スーパースポーツカーとしての高性能を享受する代償として、日常使用においても各種ランニングコストが相応に発生します。
燃費
まず「燃費」ですが、公称の燃費は8〜9km/Lとされているものの、実際の街乗りでは6km/L前後に落ち着くケースが多く、渋滞や短距離走行が中心となれば5km/Lを下回ることもあります。しかも使用燃料はハイオク指定であり、ガソリン価格の高騰が直撃するカテゴリです。年間1万キロ走行した場合、燃料代だけで20万円以上かかることも珍しくありません。
消耗品
次に「タイヤ代」や「ブレーキ消耗品」も重要です。GT-Rに装着されているタイヤは専用設計の高性能タイヤで、1本あたりの価格は安くても5〜6万円、純正指定やランフラット構造のものなら10万円を超えることもあります。また、高速走行や高負荷ブレーキングに対応するため、ブレーキパッドやローターも高耐久・高性能な分、消耗時の交換費用が高額です。パッド4輪分で10万円前後、ローターまで交換となれば30万円近くかかることもあります。
保険代
さらに「車検・保険」も一般的な車両に比べて高くなります。R35は排気量が大きく、車両重量もあるため、自動車税や重量税は高水準です。任意保険も、ハイパフォーマンス車としてリスク評価が高く、年齢や等級にもよりますが年間10〜20万円程度の保険料を想定しておく必要があります。
メンテナンス代
そして見落とされがちなのが「メンテナンス頻度と費用」です。GT-Rは高性能を維持するため、定期的な点検とオイル類の交換が推奨されています。たとえばミッションオイルやデフオイルの交換サイクルは比較的短く、工賃と部品代込みで数万円がかかります。特にGR6型デュアルクラッチトランスミッションは繊細なため、メンテナンスを怠ると高額な修理につながるリスクもあります。このように、R35 GT-Rを日常的に走らせるには、燃料費・消耗品・保険・税金・メンテナンスといったコストを覚悟する必要があります。それでもGT-Rというクルマの魅力を存分に味わいたい、日々の生活に非日常を溶け込ませたいという強い意志がある方にとっては、決して「高すぎる代償」ではないかもしれません。
まとめ

R35型GT-Rは、単なるスポーツカーやスーパーカーの枠を超えた、極めてユニークな存在です。その強烈な加速性能や精密なシャシー制御はもちろんのこと、日常使いにおいても一定の快適性や実用性を備えているという点で、他のハイパフォーマンスカーとは一線を画します。一方で、そのスーパーカーとしての素性ゆえに、維持費や取り回しの難しさ、視線を集める派手さなど、普段使いするには考慮すべきハードルも確かに存在します。特にコスト面については、ガソリン代、消耗品、保険、税金と多岐にわたり、所有する喜びと引き換えに相応の支出を覚悟しなければなりません。しかし、日産がR35 GT-Rに込めた「誰でも操れるハイパフォーマンスカー」という思想は、今なお生きており、現代の交通環境においても十分に通用するだけの対応力を持ち合わせています。走行モードの切り替えや電子制御による安心感、充実した車内装備などは、日常的な利用にも十分対応可能な要素といえるでしょう。R35 GT-Rは「非日常を日常へと持ち込むことができる、数少ない国産車」であると感じます。確かにコストや扱いづらさはありますが、それを補って余りある感動と興奮を、日々のドライブに与えてくれる存在です。
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